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ドジャースがワールドシリーズ連覇に挑むのは今年が8度目。過去7度のうち、連覇に最も近づいたのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロサンゼルス・ドジャース Oct 30, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、ロサンゼルス・ドジャースは、4年ぶりにワールドシリーズを制した。ブルックリン時代の1955年を含め、ドジャースのワールドシリーズ優勝は8度を数える。今年、9度目の優勝を飾ると、球団初のワールドシリーズ連覇となる。

 ドジャースのワールドシリーズ優勝とその翌年の結果は、以下のとおり。

筆者作成
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 ワールドシリーズ連覇の可能性があった過去7度中、過半数の4度、1960年、1964年、1982年、1989年は、ポストシーズン進出を逃している。惜しかったのは、1982年だ。アトランタ・ブレーブスと1ゲーム差のナ・リーグ西地区2位――当時は2地区制――に位置した。ブレーブスもドジャースも162試合目に敗れ、89勝73敗と88勝74敗。ブレーブスが黒星を喫し、ドジャースが白星を挙げていれば、89勝73敗で並んでいた。

 あと3度のうち、地区制が始まる前の1956年と1966年は、レギュラーシーズンをリーグ1位で終え、ワールドシリーズに進んだ。

 前年に続き、ニューヨーク・ヤンキースと顔を合わせた1956年のワールドシリーズは、1955年の●●○○○●○とまったく逆に、○○●●●○●で敗れた。

 2勝3敗で迎えた第6戦は、0対0の10回裏に、2死二塁からデューク・スナイダーが敬遠で歩かされ、次のジャッキー・ロビンソンがサヨナラ打を打った。だが、第7戦は、ドン・ニューカムが3本のホームランを打たれ、ロジャー・クレイグもグランドスラムを喫した上、ジョニー・クックスに完封された。

 ニューカムは、1956年にMVPとサイ・ヤング賞を受賞した。クックスは、メジャーリーグで6シーズンを過ごし、先発123登板とリリーフ84登板で54勝56敗、防御率4.10。ワールドシリーズの先発登板は、1956年の第7戦しかなく、あとの7登板はリリーバーとして投げた。また、1956年の第7戦は、ロビンソンのラスト・ゲームとなった。そのオフにニューヨーク・ジャイアンツへ放出されたロビンソンは、このトレードを受け入れず、引退を表明した。

 1966年は、ワールドシリーズでボルティモア・オリオールズにスウィープされた。4試合とも、ドジャースのリードは皆無。1回表に3点を取られた第1戦は2対5で敗れ、第2戦以降は3試合続けて無得点に終わった。

 2021年は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズまで勝ち上がり、前年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズと同じ相手、ブレーブスと対戦した。どちらのシリーズも、第5戦までは●●○●○。2020年は1勝3敗からの3連勝でリーグ優勝を飾ったが、2021年は第6戦にシリーズ4敗目を喫した。

 ちなみに、当時のブレーブスには、フレディ・フリーマンがいた。ブレーブスがこの年のワールドシリーズを制した後、FAになったフリーマンは、翌年3月にドジャースと6年1億6200万ドル(2022~27年)の契約を交わした。

 これまでに、フリーマンがワールドシリーズに出場したのは、2021年と昨年の2度だ。いずれも優勝メンバーとなっているだけでなく、2021年の第5~6戦と昨年の第1戦~4戦に、6試合続けてホームランを打った。

 なお、ワールドシリーズの連覇は、1998~2000年のヤンキースを最後に途絶えている。それについては、こちらで書いた。

「ドジャースの前にワールドシリーズ連覇に挑んだチームは、どこで力尽きたのか。今世紀の連覇はまだ皆無」

 過去に連覇を達成したチームは、こちらにリストを記載した。

「ドジャースがめざすワールドシリーズ連覇は、どのチームが成し遂げているのか。最長は5連覇」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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