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MVP投票で「ここ3年とも得票」は5人。今年受賞の山本由伸と村上宗隆に…

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 August 4, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 2021年のリーグMVP(最優秀選手)は、山本由伸(オリックス・バファローズ)と村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)が選ばれた。2人とも受賞は初めてだが、過去2年も票を得ている。山本の順位は2019年も2020年も11位、村上は11位タイと9位タイだった。

 ここ3年とも得票の選手は、彼らの他に3人いる。2021年はパ・リーグ3位の吉田正尚(オリックス)、セ・リーグ4位と5位の岡本和真(読売ジャイアンツ)と鈴木誠也(広島東洋カープ)がそうだ。吉田と岡本は2018年から4年連続、鈴木は20172016年から6年連続の得票となった。

 ただ、この3人は一度もMVPを受賞しておらず、吉田と鈴木は2位すらない。今年、吉田の上に位置した2人がどちらもチームメイト――2位は杉本裕太郎――だったのと同じように、岡本と鈴木も、チームメイトの後塵を拝している。昨年の岡本は、菅野智之にMVPを阻まれる形となった。鈴木が位置した2度の3位も、2016年は新井貴浩菊池涼介、2018年は丸佳浩(現・読売)と大瀬良大地に次いだ。2017年も、鈴木のすぐ上にいたのは菅野ながら、トップ2はチームメイトの丸と薮田和樹だった。

筆者作成
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 一方、菅野は、昨年まで連続得票を最も長く継続していた。2013年から8年続けて票を得ていて、2014年と昨年はMVPに選ばれている。順位は、9位タイ→1位(受賞)→13位タイ→13位→3位→4位→16位タイ→1位(受賞)と推移してきた。だが、今年は得票なしに終わった。

 今年、4年以上続いていた得票が途切れたのは、菅野だけではない。丸と浅村栄斗(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)のストリークは2016~20年の5年連続、源田壮亮(埼玉西武ライオンズ)は2017~20年の4年連続でストップした。

 なお、山本と村上、吉田と岡本と鈴木の5人以外に、昨年も今年も票を得たのは、福岡ソフトバンク・ホークスの柳田悠岐(受賞/6位タイ)と甲斐拓也(18位/10位タイ)、千葉ロッテ・マリーンズの益田直也(15位/5位)とレオネス・マーティン(20位タイ/14位)に、東京ヤクルトの青木宣親(13位タイ/8位)の5人だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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