スポーツ界の広告王は誰だ? 1位はフェデラ-。錦織12位。ヤンキース田中66位。
米経済誌フォーブスは毎年、直近1年間の収入によるスポーツ界の長者番付を発表している。この番付は年俸・賞金とスポンサーからの収入などを合計した額で順位がつけられている。
日本でも報道されているので、覚えている方も少なくないだろう。2016年6月に発表されたランキングでは1位が8800万ドルを稼いだサッカーのクリスティアーノ・ロナウド。テニスの錦織圭が3350万ドルで29位。メジャリーグの田中将大が2300万ドルで74位に入った。
このフォーブスの長者番付には収入の内訳として、スポンサーや広告からの収入額も掲載されている。
スポンサーや広告による収入額に限定して順位をつけると、長者番付とは異なるランキングになる。スポンサー、広告収入のランキングと()にフォーブス発表の長者番付を示した。
1位(長者番付4位)ロジャー・フェデラー テニス
2位(長者番付3位)レブロン・ジェームズ NBA
3位(長者番付8位)フィル・ミケルソン ゴルフ
4位(長者番付12位)タイガー・ウッズ ゴルフ
5位(長者番付5位)ケビン・デュラント NBA
6位(長者番付17位)ローリー・マキロイ ゴルフ
7位(長者番付6位)ノバク・ジョコビッチ テニス
8位(長者番付21位)ラファエル・ナダル テニス
9位(長者番付9位)ジョーダン・スピース ゴルフ
10位(長者番付1位)クリスティアーノ・ロナウド サッカー
11位(長者番付32位)ウサイン・ボルト 陸上
12位(長者番付29位)錦織圭 テニス
13位(長者番付2位)リオネル・メッシ サッカー ・
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66位(長者番付74位)田中将大 MLB
スポンサー収入では、テニス、NBA、ゴルフ界で活躍する選手が上位を占め、長者番付トップのロナウドが10位、メッシは11位になっている。
スポーツ選手の広告への影響力などを調査しているOpendorseという米国のマーケティング会社がある。この会社が昨年6月に、スポーツ界のスポンサー・広告収入ランキングを分析して、ブログに掲載していた。
1位のロジャー・フェデラーについて「コート上での全盛期は過ぎ去ったであろうフェデラーだが、長期間、世界ランキング1位に君臨していたことが、最も市場に好まれるテニス界のスーパースターであることと結びついている」と述べている。
フェデラーが広告に関わっているのは、ウィルソン、ナイキ、ロレックス、メルセデスベンツ、ジレットなど。ナイキ、メルセデスベンツ、ロレックスとの長期契約が効いているようだ。スポンサー・広告収入は6000万ドル。
2位レブロン・ジェームズは、2016年にナイキと生涯契約を結んだばかり。契約総額は明らかになっていないが、10億ドルとの噂も出ている。ジェームズはこのほかにコカ・コーラやマクドナルドとも契約している。スポンサー・広告収入は5400万ドル。
3位は同じゴルフ界のタイガー・ウッズを抑えたフィル・ミケルソン。約5000万ドルをスポンサーや広告収入で得ている。
Opendorse社は、スポンサー・広告収入ランキング12位の錦織についてはこんな分析をしている。「錦織は過去2年間、世界ランキング8位以内にいるが、米国のメディアにはそれほど広く知られているわけではない。しかし、日本では、錦織はアイコンである」。錦織の場合は、日本企業との契約がスポンサー・広告収入ランキングを後押ししているようだ。
同社は各選手のツイートの広告価値も試算している。各選手がツイッター上で、どの程度の影響を与えるかなどの指標から推定したものだ。
フェデラーは1ツイートあたり、3万1660ドルだが、ジェームズは18万5328ドル。そして、長者番付1位のロナウドの1ツイートあたりの広告価値は25万8859ドルだという。メッシはこのブログ掲載時点ではツイッターを使用していないので、推定額も出ていない。錦織は1945ドルと推定されている。
ツイートの広告価値の推定だけでも、スーパースターたちの影響力はとてつもなく大きいことが分かる。
その広告力、ブランド構築力の大きさゆえにだろう。米国の小児科学会では、スポーツ界のスーパースターが健康的ではない食品を広告していることと、その広告を子どもたちがよく目にしていることも警告している。