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【NHL】全体1位指名確実のスウェーデン人は「スキルが半端ないって!」 カナダ人は19年ぶりの不作?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ラスムス・ダリン(写真中央/Courtesy:@BuffaloSabres )

 シーズン最後の公式イベントとなるNHLドラフトが、今夜(現地時間)から二日間にわたって、ダラス スターズのホームアリーナのアメリカン エアラインズセンターで開催されます。

▼1位指名確実の選手は「スキルが半端ないって!」

 今季の成績に従った抽選(ドラフトロッタリー)によって決定した指名順(日本のプロ野球のような重複指名選手の交渉権抽選はありません)に沿って、1巡目から(最大)7巡目まで指名。

 初日の今夜は1巡目の指名が行われますが、注目は、DFのラスムス・ダリン(18歳/スウェーデン生まれ/スウェーデンリーグ・フロルンダ)

 ダリンの魅力は、何と言っても「スキルが半端ないって!」という声が聞こえてきそうなほど、際立った個人技!

 パックのキープ力や、(パックをスティックで扱う)ハンドリングのテクニック。さらにスケーティングスピードの緩急も上手に利用し、DFながら一人で攻め込んでいく力が際立っていると高評価。

 2月の「ピョンチャン(平昌)オリンピック」ではスウェーデン代表メンバーに、唯一のティーンエイジャー(当時18歳)として選ばれたほどの逸材です。

 自らも現役時代に主力DFとして活躍し、「ソルトレイクシティ オリンピック」のアメリカ代表にも選ばれたバッファロー セイバーズのフィル・ハウズリー ヘッドコーチ(HC・54歳)も、「動画サイトでプレーを見たが、あれだけのスキルがあるなら大きな戦力になるだろう」と太鼓判!

 全体1位の指名権を持つだけに、バッファローの指名が確実視されます。

▼全体2位は力強さとスピードを併せ持つロシア人

 続いて全体2位の指名権を持つカロライナ ハリケーンズが、指名すると報じられているのが、FWのアンドレイ・スベチニコフ(18歳/ロシア生まれ/オンタリオ ホッケーリーグ・バリーコルツ)

 NHLでのプレーを夢見て、16歳の時に故郷(ロシア・カザニのジュニアチーム)を離れ、アメリカのジュニアチームに移ると、すぐさまベストルーキーに輝き、国際サイズよりも狭い北米のリンクでも通用することを証明。

 

 18歳ながら今季はU20(20歳以下)の世界選手権ロシア代表に選ばれて活躍した姿を見る限り、NHLでも即戦力の期待が集まるプレーヤーです。

▼父も兄もNHLでプレーしたアメリカ人が全体3位

 全体3位指名権を持つモントリオール カナディアンズが、有力候補にリストアップしていると伝えられているのが、FWのブレディ・カチャック(18歳/アメリカ生まれ/ボストン大学)

 父のキース(46歳・元セントルイス ブルースFW)も、兄のマシュー(20歳・カルガリー フレイムスFW)もNHLプレーヤー。

 なかでも父のキース(下の写真右側)は、NHLで1000ポイント(537ゴール520アシスト)を達成したのに加え、アメリカ代表の主力として、オリンピックやワールドカップにも出場した名選手。

父親はNHL、ワールドカップ、オリンピックでプレーしたキース・カチャック(Courtesy:@WestNewsmag)
父親はNHL、ワールドカップ、オリンピックでプレーしたキース・カチャック(Courtesy:@WestNewsmag)

 父親譲りのパワフルなプレーと、スピードを併せ持つ大型FWです。

▼カナダ人プレーヤーは19年ぶりの不作!?

 これまで紹介したドラフト1位~3位までの上位指名選手有力候補の顔ぶれを見て、何か気づかれた方はいらっしゃいませんか?

 実は「カナダ人プレーヤーが一人も含まれていない」のです!

 もし、全体1位から3位までにカナダ人が全く指名されなかった場合は、1999年のドラフトで、アトランタ スラッシャーズ(現ウィニペグ ジェッツ)が全体1位でパトリック・ステファン(チェコ出身・FW)を、全体2位と3位は、ともにバンクーバー カナックスが、今季限りで引退した ダニエル&ヘンリクのセディン兄弟を指名して以来、19年ぶりとなります!

 現地メディアの前評判を覆して、カナダ人プレーヤーが上位指名されるのか?

 昨年のドラフトのような日系人選手の指名は見られそうにない様子だけに、今季はカナダ人プレーヤーに注目してみては、いかがでしょう?

 

 

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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