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前田健太の契約総額は前回より少し減少も、年平均額は4倍近く上昇。2年2400万ドルでタイガースへ

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太 Jun 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズン、前田健太は、デトロイト・タイガースの投手としてマウンドに上がるようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが2年契約と報じたのに続き、ESPNのジェフ・パッサンは2年2400万ドルと伝えている。

 前田は、2015年のシーズン終了後にポスティング・システムを利用し、翌年の年明けに、広島東洋カープからロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。その後、20102020年2月のトレードでドジャースからミネソタ・ツインズへ移り、今オフにFAとなった。

 ドジャースと交わした契約は、8年2500万ドルだった。今回の契約は、パッサンが報じたとおりだとすると、2年2400万ドルなので、総額はほとんど変わらない。けれども、年数がまったく違い、それぞれの年平均額は、312万5000ドルと1200万ドルだ。4倍近くアップすることになる。

 来シーズンの開幕早々、前田は、36歳の誕生日を迎える。にもかかわらず、年平均額がこれほど上がるのは、前回の契約が、メジャーリーグで実績がなく、出来高がついていた――トレードに際しては100万ドルを得た――とはいえ、あまりにも安かったということだ。今回の契約も、そう高額というわけではない。

 今シーズン、トミー・ジョン手術から復帰した前田は、先発20登板と最後のリリーフ1登板で計104.1イニングを投げ、奪三振率10.09と与四球率2.42、防御率4.23を記録した。4月下旬から約2ヵ月にわたって離脱したものの、6月下旬以降の先発16登板は、85.0イニングで奪三振率10.38と与四球率2.44、防御率3.39だ。健康さえ維持できれば、エースとまではいかなくても、ローテーションの2番手や3番手を務めることができるだろう。

 ちなみに、新たなホームとなるコメリカ・パークでは、通算先発6登板で防御率3.44。今シーズンは、6月23日と8月10日に計11イニングを投げ、ホームランによる1点しか取られていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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