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ひとり旅でしか得られない「空白の時間」とは? ソロ温泉で避けたい3つのNG行為

高橋一喜温泉ライター/編集者

ソロ温泉(=ひとりでの温泉旅)の魅力のひとつは、「空白の時間」を得られることである。この「空白の時間」とは何だろうか?

ソロ温泉は、仕事で成果を出すためにエネルギーを充電する時間、と筆者は定義している。いわば、自分自身への投資だ。だから、ただひたすら温泉に入って心身を整えるのが目的である。

すると、ある感覚を得ることができる。それが「空白の時間」だ。

日常には存在しない「空白の時間」

ソロ温泉に出かけて、ただ湯と向き合う環境をつくると、湯浴み以外に何もしない「空白の時間」を得ることができる。

空白の時間は、日常ではなかなか確保することがむずかしい。ふだんの生活でも「何もせずにだらだらしている時間はある」という人もいるかもしれない。

しかし、スマホをいじっていたり、テレビを見ていたり、ゲームをしていたり、結局、有意義なことをしていないだけで、「何か」をしているのではないだろうか。

ソロ温泉では、湯船につかるだけ。スマホとも距離を置き、人間関係のスイッチも切る。だから、本物の「空白の時間」をつくることができる。

日常生活の中で「空白の時間」を手に入れるのはきわめてむずかしい。忙しいビジネスパーソンはつねに仕事のことを考え、臨戦態勢。疲れて家に帰っても気が張っていて、本当の意味で「休む」ことはできていない。

リラックスして副交感神経を優位に

人間の自律神経はおもに交感神経と副交感神経の2つからなる。緊張や興奮をつかさどる交感神経と、リラックスのための副交感神経は、バランスよく機能することで心身ともによい状態を保てる。

しかし、ストレス過多の現代社会では交感神経ばかりが活性化して、副交感神経がうまく働いていないケースも多いといわれている。

だからこそ、ビジネスパーソンをはじめストレスにさらされている人たちは、ソロ温泉で「空白の時間」をつくるべきだ。

ただただリラックスして副交感神経を十分に働かせる。緊張を強いられている自分を解放するには、ソロ温泉が最適なのだ。

ソロ温泉に必要な「覚悟」

空白の時間を確保するために、「仕事」のスイッチは完全に切らなければならない。スイッチをオフにするだけでなく、ブレーカーごとオフにするイメージである。

だから、間違ってもノートパソコンやタブレットなど仕事のアイテムを温泉宿に持ち込んではいけない。もちろん書類もダメ。たとえパソコンの画面を開かなかったとしても、カバンの中に入っていれば、いつ交感神経のスイッチが入ってしまうかわからない。

筆者も昔、仕事の納期に間に合わず、ノートパソコンを持ってソロ温泉に出かけたことがある。移動中の飛行機や新幹線の中でカタカタカタ・・・。宿の送迎バスの中でカタカタカタ・・・。宿の部屋に着いてからもカタカタカタ・・・。寝る間を惜しんでカタカタカタ・・・。

これでは何のために温泉まで来たのかわからない。かえって疲労感が倍増したまま帰路に就くこととなってしまった。

ソロ温泉の出発までに仕事は片づける。どうしても仕事が終わる見込みが立たないなら、パソコンを持ち込まずに済むように、関係各所と仕事の調整をすべきである。最悪の場合は、いったん旅の予定をキャンセルして、仕切り直したほうがいい。

仕事はもち込まず、人間関係とも距離を置き、スマホも極力使わない。「空白の時間」を手に入れるには、ある意味、覚悟が必要である。しかし、「空白の時間」こそが心と体をリセットし、明日を生きるエネルギーを与えてくれるのだ。

高橋一喜|温泉ライター

386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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