アメリカ合衆国の日常生活の内訳を時間配分の点からさぐる(2023年公開版)
アメリカ合衆国労働省労働統計局では定期的に同国の国民の日常生活や就業状況などに関して多方面からの調査を行い、その統計結果を逐次公開情報として提供している。今回はその公開情報「American Time Use Survey」を用い、同国の大人たち(今件では15歳以上)が普段どのようなライフスタイルで生活しているのか、時間配分の上から確認する。
次に示すのは15歳以上における1日あたりの時間配分を主要行動別に区分したもの。「主従事」とはその行動をメインとして行っていた時間で、合わせて24時間となるもの(グラフの上では一部省かれている項目もあるため、グラフ上の値をすべて足しても24時間にはならない)。「ながら(サブ)」とは他の行動をメインとして、ついでに行っている行為の時間。メインか否かを問わず、とにかくその行為をしている時間の合計を赤文字で記しているが、当然これらをすべて足すと24時間を超える。
なお今件は15歳以上の男女別区分による統計のため、老若、夫婦独身、就業者無職を問わずとなる。また、平日と休日を合算している。あくまでも全体的な平均動向を把握するための値。男女別で比較しやすいよう、グラフで縦軸の区分はそろえている。
まずは男性。
平均睡眠時間は9時間近く。食事は合わせて1時間強。家事は主従事で1時間半、他の行為のついでが約40分で合わせて2時間強。仕事はメインとしてが4時間強、ながらが4時間強で合わせて8時間強。学生や無職・退職者を合わせても、やや意外な割合。もっとも、教育・教養のながら時間が多分を占めているので、仕事を自らの修練的に考えている人もいるのだろう。
テレビ視聴は主従事とながらを合わせて4時間近く。休日を含めているとはいえ、少々長い感はある。電話やメール、手紙といったツールによるコミュニケーション行為は50分近くで、直接相対しての雑談や付き合いの時間と比べると短い。
続いて女性。
男性と大きな違いは無いように見えるが、細かい点に注目していくと多様な点で男性との行動様式の違いが見えてくる。総時間だけを見ても、仕事やテレビ視聴、運動・スポーツなどの時間は短く、家事や買物、育児・介護などの時間は長い。主従事における仕事時間の差異を見れば分かる通り、専業主婦が多々いることに加え、兼業世帯でも家庭内のあれこれを女性が負担する割合が多いのだろう。
概算だが主従事時間の男女差異を算出したのが次のグラフ。プラスなら男性の時間が長い、マイナスなら女性の時間が長いことになる。
仕事やテレビのプラス、家事や買物、育児・介護のマイナスなど、男女の役割分担的な行動パターンの差が、そのまま一日の行動時間に表れているようでもある。
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