平日と土日で大きく異なる人の時間別行動…時間帯別に見た行動者率をさぐる(2024年公開版)
日々の生活は曜日によって大きな違いを見せる。多くの人は月曜から金曜の平日には学業や就業にいそしむ時間が多く、プライベートな時間はあまり取れない。土曜日や日曜日はおおよその人が休みとなり、自分の望む行動に割ける時間が多くなる。また、土曜日と日曜日でも翌日が休みか否かの違いがあるため、自由時間の取り方が異なる人も多い。平日・土曜日・日曜日それぞれの平均的な人々の1日における行動の変化を、総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果から確認していく。
今件では生活様式を「睡眠」「身の回りの用事」「食事」「通勤・通学」「仕事(収入を伴う仕事)」「学業(学生が学校の授業やそれに関連して行う学習活動)」「家事」「介護・看護」「育児」「買物」「移動(通勤・通学を除く)」「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌」「休養・くつろぎ」「学習・自己啓発・訓練」「趣味・娯楽」「スポーツ」「ボランティア活動・社会参加活動」「交際・付き合い」「受診・療養」「その他」の20に区分。さらに睡眠・食事など生理的に必要な活動を「1次活動」、仕事・家事など社会生活を営む上で義務的な性格の強い活動を「2次活動」、これら以外の各人が自由に使える時間における活動を「3次活動」としている。
その上でさらに分かりやすいよう、「睡眠」「身の回りの用事、食事」「通勤・通学、仕事、学業」「家事関連」「3次活動」に大別。その区分に基づき、一日の時間の流れの中における行動者率の推移をグラフにした。
まずは平日。朝方は当然寝ている人がほとんどだが、5時すぎあたりから皆が起きはじめ、朝の支度をするようになる。
お昼までは多くの人が仕事や学業に従事するが、一方で「3次活動」に勤しむ人も少なくない。そしてお昼時には食事のため、「身の回りの用事、食事」の値が急激に増える。その後は再び仕事や学業が増加。
17時以降は仕事、学校を終えて帰宅のため、少しずつ「身の回りの用事、食事」が再び増加。夕食をとったあとは「3次活動」が大きく増加し、平日における安らぎタイムは主に夕食後であることがうかがえる。2つ目のグラフからも分かる通り、「3次活動」が5割を超えるのは20時~22時となる。
土曜日は休みの人が多いこともあり、仕事や学業の比率が随分と低下し、その分「家事関連」「3次活動」が増加する。
平日に時間が取れずにできなかったことをまとめて手掛けるためか、「家事関連」「身の回りの用事、食事」が大きく増加する。また、平日と比べるとわずかではあるが、起きるタイミングも遅めになっている。色々と時間に余裕があるため、「3次活動」の5割超えも13時30分~17時と19時45分~22時までとなり、いわゆる「半ドン状態」となっているのが分かる。
日曜になるとさらに時間的余裕が増える。土曜日出勤・登校の人も、さすがに日曜はほとんどが休みとなるため、それが数字に反映されるからだ。
土曜日よりもさらに「身の回りの用事、食事」「家事関連」「3次活動」が増え、プライベートな時間をより多く堪能しているのが分かる。「3次活動」に限っても、5割超えの時間帯は13時15分~17時15分、19時45分~22時以外に、10時45分~11時15分も該当し、自由時間が多いことを再確認できる。
今件はあくまでも全体的なもので、例えば男性と女性では生活様式に違いが見られる。とはいえ、社会全体において一日の流れの中で平均的に、人々がどのような生活をしているのかを知るのには十分過ぎるデータといえよう。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。