制服でタバコを吸う高校生 vs. それをぶん殴ったおじさん 裁判で勝ったのはどっち? =韓国
24日、韓国の大田(テジョン)地方裁判所からある事件の審理結果が発表となった。市内のコンビニ前で学校の制服を着たままタバコを吸っていた高校生と、それを見かねてぶん殴った60代の男性に関する事件だ。
果たしてどちらに非がある?
この結果は韓国最大のポータルサイト「NAVER」に記事配信する「イーデイリー」の25日のアクセスランキング1位となるなど、注目を集めた。
事件が起きたのは今年の3月24日の朝。A氏(62歳)は大田市内のコンビニ前で、制服を着たB君(18歳)とC君(17歳)がタバコを吸っているのを見つけた。A氏はこれに憤慨、2人の高校生の顔と後頭部を殴った。
A氏は裁判でこう主張した。
「未成年でありながらタバコを吸っていたので、彼らをたしなめる目的で行動した。また、彼らも私の自転車を蹴り倒した」
- 地上波SBSもこれを報じた
しかし、これが裁判所に受け入れられることはなかった。
裁判所は「社会的規範上、たしなめる目的で暴行を働く理由はない」との判断を下し、A氏に70万ウォン(約7万円)の罰金を科した。
裁判所はまた「被害者である高校生たちが暴行に対抗する過程でA氏の自転車を倒したこと、(反撃をしようと)拳を握ったことは認められるが、実際には暴行には至らなかった」とも述べた。
一方、未成年でありながらタバコを吸っていた高校生に対しては、この裁判で直接的な罰則はなし。つまりは「いくら善意や教育的な目的があっても、暴力は許されない」という法の下での厳格な判断が示されたということだ。
韓国では19歳になる年の1月1日から喫煙が可能。いっぽうで、2021年の韓国疾病管理庁の統計「第16回青少年健康行動調査統計」によれば、青少年の喫煙率は歴史的に低いレベルにある。調査当時「ここ30日間で1回以上喫煙した」という高校生は4.4%。前年度の6.7%よりも2.3ポイント減少だったという。