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子どもが喜んで取り組む作品整理法は、今注目の「メタ認知」も育つ方法だった!

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

もうすぐ年度末、保育園、幼稚園、小学校に通う子どもたちが一年間の作品を持ち帰ることと思います。

毎年持ち帰るのでたくさんの作品をどうやって収納するかが気になりますが、今日は私の4人の子どもも実践し、近年注目されている自分の思考や行動を客観的にとらえるメタ認知を育むことにつながる作品選抜総選挙という子どもの作品整理法を紹介します。

作品選抜総選挙のやり方

STEP 1、作品を床に広げる

今年度の作品を床に広げます。子どもの作品はパワーがあるので、広げると部屋が一気に明るくなります。

1年間の子どもの作品を並べたら「片づけるよ!」「片づけて!」ではなく「作品選抜総選挙を始めるよ!」と声をかけ子どもの興味を誘います。

STEP2、子どもが好きな順番に並べる

子どもに作品を好きな順番、お気に入りの順番に並べてもらいます。1位がいくつあってもよいし、同じ順位の作品がいくつあっても構いません。作品の数が多すぎる場合は「とても好き」「まあまあ好き」「あんまり好きじゃない」の3つに分けるようにするとハードルが低くなります。

その時のコツは、親はインタビュアーになること。

「これは何を描いたの?」「どれが一番好きか?」と子どもに声をかけるのですが、質問攻めにするのではなく、子どもにお気に入りや頑張った作品を教えてもらうようにすることで、その作品が自分にとってどのような思いがあるのかを考えるきっかけになります。

子どもの作品は同じように見えてすべて同じではありません。本人が満足している力作もあれば、描いたことも覚えていないもの、先生に褒められたもの、出来具合に満足していないものなど色々あります。

そんな作品の一つ一つの違いに気づき本当に大切なモノに親子で気づくのがこの「作品選抜総選挙」」の目的です。

STEP3、上位〇位までの作品を残すか決める

収納場所や収納に使うファイルなどの大きさも考えながら、最終的に上位何位までの作品を保管するか決めます。「〇位以下の作品を捨てるのか」ではなく、あくまで子どもが選んだお気に入りの作品を残すイメージです。

「捨てる」という言葉に抵抗を感じる子どももいます。しかし、〇位以下の作品を思い切って手放すことで、本当に好きな作品ばかりが残る喜びを子どもに感じてほしいのです。

しかし、初めからうまくいかない場合もあります。無理強いはしないでよいですが、〇位以下は「お母さんが預かっておくね」などの声掛けがいいかもしれません。

いる?いらない?は子どもでも楽しくない

片づけと言えば、いる?いらない?の2択のイメージがありますが、モノをいるか?いらないか?のどちらかに分けるのは大人でも難しいです。

しかし好きな順番に並べる方法は、子どもの気持ちを最大限に尊重している方法なので、片づけをやらされているという感覚は少なく、自分で選ぶことができる喜びを感じることができます。

作品選抜総選挙のメリット

この方法の大きなメリットは、安心して子どもに選択を任せることができるということです。作品なのでほとんどお金がかかっておらず、クリスマスに買ってあげたのに、人からもらったのに、高かったのに、という大人の考えに左右されることがありません。

そして作品選抜総選挙をやっていると、親がきっと力作であろうと思った作品が、実は子どもにとっては大した作品ではなかったり、その逆もあり、親子での思いの違いに驚くこともあります。我が子であっても子どもも一人の人間である、と気づく瞬間です。

なぜ作品選抜総選挙で「メタ認知」が育まれるのか

「何でコレがいいの?」「あっちの方がいいでしょ!」と言いたくなることもありますが、子どもの考えを一旦認めてあげて下さい。認めてあげることで、子どもは自分で選ぶ喜びを感じます。自分はコレが大切だったという自分の思いに客観的に気づくことができます。

我が子は工作が大好きで、次から次に手作りの武器が溜まって困ったときに作品選抜総選挙を思いつき一緒にしました。

その時にランキング順に並べられた武器を見て、長男は自分が上位に選んだ武器がキラキラしていたり、尖っているモノばかりだったことから、自分のカッコいいと思う武器の基準がキラキラ・尖っているだったことに気づき、それからはキラキラして尖った作品ばかり作るようになりました。

当時4歳の長男がカッコいい武器ランキング付けに悩む様子
当時4歳の長男がカッコいい武器ランキング付けに悩む様子

好きな順番に並べることで、「自分の好き」が認識しやすくなり、その作品をどうするかという次の課題にも向き合いやすくなります。この繰り返しが「自分の思考や行動を客観的にとらえる」というメタ認知を育むことになるのです。

始めは時間がかかるかもしれませんが繰り返すうちに、子どもの中にその子なりの選択基準ができ、選ぶ力が育ち、選ぶスピードも速くなります。

そしてその積み重ねで小学校高学年になったら、作品以外でもモノが増えたら順番に並べなくても、いるか?いらないか?の判断ができるようになるかもしれません。

ぜひ春休みは、子どもの作品を床に広げ1年を一緒に振り返りながら、お気に入りの作品選びを通し子どもの成長を感じる素敵な時間を過ごしてほしいと思います。

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★藤原友子★
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小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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