NHKが「割増金」求めて未契約世帯を提訴 裁判どうなる? #専門家のまとめ
NHKが放送受信契約の締結や受信料と割増金の支払いを求め、東京都内の3軒の未契約世帯を提訴しました。これまでもこうした民事訴訟に及んだ例はありましたが、2022年10月に割増金制度が導入されて以後、これを実行したのは初めてとなります。
この割増金は(1)不正な手段により受信料の支払いを免れたり、(2)NHKを受信できるテレビなどを設置した翌々月末までに正当な理由なく受信契約を申し込まなかったりしたら、受信料に加え、その2倍相当の金額を請求できるというものです。
NHKは個別の事情を総合勘案して割増金の請求に至ったと説明していますが、一方でこの提訴には反発の声も上がっています。受信料を巡る最高裁のスタンスを知っておくと、今後この裁判がどうなるのかが推察できることから、参考となる記事をまとめました。
▼放送法はNHKを受信できるテレビの設置者に受信契約の締結を義務付けたもので、憲法にも違反していない
▼はじめからテレビが設置されている賃貸物件の入居者にも受信契約の締結義務がある
▼自宅にテレビがなく、ワンセグ携帯だけを持っている者にも受信契約の締結義務がある
▼NHKだけが映らないフィルター付きテレビの設置者にも受信契約の締結義務がある
以上のように、ことごとくNHKに軍配を上げてきた最高裁のスタンスからすると、たとえ提訴された3世帯が割増金制度について憲法違反だなどと主張して争ったとしても、テレビの設置が明らかであれば、勝ち目は薄そうな情勢です。(了)