Yahoo!ニュース

「モグライダーで企画書を書く業界人が増加」 ともしげの結婚とコンビのブレークのタイミング

田辺ユウキ芸能ライター
(提供:アフロ)

テレビ出演本数が前年の80倍、売れっ子の仲間入り

お笑いコンビ・モグライダーのともしげが6月8日、結婚を発表した。

モグライダーといえば『M-1グランプリ 2021』で決勝に進出し、トップバッターとしての歴代最高点を記録。2022年に入ってからはメディアに引っ張りだこ。6月6日放送『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)では「いま、モグライダーで企画書を書く業界人が多い」と紹介されるなど、需要が高まっている。

雑誌『お笑い2022』(2022年/竹書房)で、芝大輔は「『M-1』あたりから自分の芸でお金が稼げるようになってきて」と同大会が転機になったと話しており、6月3日放送『5時に夢中!』(TOKYO MX)でも「『M-1』直前の僕たちの給料は1カ月で5000円でした。(現在は)テレビの出演本数が4月の時点で前年の80倍」と明かしている。

ともしげも『お笑い2022』で、「芸人がアルバイトしてるのか、アルバイトが舞台に立ってるのか、よくわからない感じで」とブレーク前を振り返っていた。そして「やっとアルバイトは辞められた…というか、お休みさせていただくようになって3カ月くらい」と売れっ子になった現在の状況を話している。

ともしげ、結婚の決め手はコンビの好調ぶり?

かねてより同棲中の婚約者の存在について口にしていた、ともしげ。お相手とは4年くらい付き合っており、婚約指輪をAmazonで購入したエピソードなども披露してきた。

一方、4月3日放送『マルコポロリ!』(カンテレ)では、ともしげの数少ない芸人仲間・小宮浩信(三四郎)が「彼女がいることを知ったのはここ1年」、相方・芝でさえ「何年も彼女の話をしてこなかった」と言うほど“極秘”だった。同番組内でも「彼女の写真はどこにもない。彼女の話はNG」と、話題を遠ざけようとした。恋人の存在を隠したかった理由はふたつあった。ひとつは「あわよくばもっとモテたい。天使と性欲が戦っている」と誘惑に襲われていたこと。もうひとつは「周りの芸人がおもしろいから、(彼女を)取られちゃうんじゃないか」と心配がふくらんでいたこと。

そんなともしげがこのタイミングで結婚を決断したわけだが、今回の結婚発表は、現在のモグライダーの好調をあらためて証明したものではないだろうか。

お笑いの世界は流行り廃りも早く、安泰な仕事ではないだろう。ただ、そんななか「これならやっていけそうだ」と当面の見通しが立ったことが、結婚につながったと考えられる。あくまで推測だが、モグライダーほどの売れっ子の場合は先々までスケジュールも埋まっているはず。「モグライダーで企画書を書く業界人が多い」という言葉通り、ゴールデンのレギュラーなど大きな話が控えているのかもしれない。

近年では『M-1グランプリ 2019』を制したミルクボーイの内海崇が、「吉本から支払われる月給が30万円以上を3カ月続けられたら結婚」と公言。2020年2月からその目標金額がクリアできるようになり、同年6月1日、交際9年目の恋人とゴールインした。漫才師として劇場に立つことにこだわるミルクボーイは『M-1』後、なんばグランド花月(NGK)の看板を期待される存在に。拠点である大阪でのテレビ、ラジオの出演も途切れていない。収入面も含めて、まさに芸人として見通しが立ったことによる結婚だった。

総合力が高い芝、底意地の悪いキャラのともしげ

モグライダーは漫才のおもしろさもさることながら、テレビなど映像媒体での立ち振る舞いもすばらしい。

芝は、話を回しても良し、振られても良し。その万能さもあってか、ひな壇でも司会者に近いポジションに配置されることが多い印象だ。ランジャタイの国崎和也も「大喜利、トーク、返し、仕切りもできる」と芝の総合力の高さを評価。後輩たちからの人望も厚い。くりぃむしちゅーの上田晋也、アンタッチャブルの柴田英嗣のように「どんな場面でも対応できる芸人」として長く活躍できそうだ。

ともしげは不器用ではあるが、しかし平場での弾んでいるトークをせき止めてしまうようなタイプではない。さらに話のオチによく使われるなど「おいしいポジション」でもある。また、6月7日放送『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)では「性格悪いけどおもしろい芸人」としても取り上げられるなど、裏の顔にも注目があつまっている。4月10日放送『マルコポロリ!』では、ウエストランド・井口浩之らから「後輩芸人のネタを見て『良くなかったね。なんであのネタをやるの。そんなんじゃウケない』と強くダメ出ししたり、スベッた芸人を見るのが好きで、賞レースでも落ちた人ばかりチェックしたり。どこかのコンビが解散したらすぐに電話をかけてくる」という腹黒い面が暴露されるなど、底意地の悪さもキャラとして定着。掘れば掘るほどいろんなネタが出てくるのだ。

このように芝、ともしげともに分かりやすい特徴を持っている。それがモグライダーの強みである。『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)のParaviでのスピンオフ企画「この街はアド街で出来るかな?ブレイク直前芸人が先行ロケハン!」(配信中)でもロケハン企画で街ブラに初めて本格挑戦し、ここでも安定感のあるロケを見せている。なにをやらせても実に隙がない。

お互い家庭を持つことで、より仕事に精が出そうなモグライダー。これからさらにふたりの姿を見る機会が増えそうだ。

芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて独自視点で取材&考察の記事を書いています。主な執筆メディアは、Yahoo!ニュース、Lmaga.jp、Real Sound、Surfvote、SPICE、ぴあ関西版、サイゾー、gooランキング、文春オンライン、週刊新潮、週刊女性PRIME、ほか。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

田辺ユウキの最近の記事