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韓国で大騒動のC・ロナウド、親善試合後にKリーグ選手たちには笑顔を見せていた?

金明昱スポーツライター
試合後に待っていたセシーニャ(大邱FC)と笑顔で撮影に応じたロナウド(筆者撮影)

 7月26日に開催されたチームKリーグ対ユベントスの親善試合で、クリスティアーノ・ロナウドが出場しなかったことをきっかけに、大騒動となっている。

 試合当日から現場は大混乱で、ユベントスの韓国への到着が予定より2時間も遅れたことで、ソウル市内のホテルで予定されていたファンイベントも大幅に短縮。

 ロナウドの参加も約束されていたのだが、コンディション調整を理由に不参加となり、20時開始だった試合も約1時間遅れで始まった。

 主催者はユベントスと交わした契約書があったことを公にし、「契約不履行」から違約金の支払いを求めている。

 さらに韓国プロサッカー連盟も主催者への損害賠償とユベントスへ抗議文を送り、それに対しユベントスから返事が届いたものの、事態は収まる気配がない。

 現場取材に行っていた筆者は、試合に出場しなかったロナウドが表情も変えずピッチをあとにし、観客席に向けて何も行動を起こさず、一言も言葉を発さなかったことに違和感を覚えていた。

 だが、最後の最後に実は笑顔を見せていた瞬間があった。

 試合後にロナウドがバスに乗り込むのを待っていたKリーグの選手たちがいたのだが、彼らには敬意を持って接していたのだった。

 ロナウドを待っていたのは、ブラジル人選手のセシーニャ(大邱FC)、エデル(城南FC)、ヴァンデルソン(浦項スティーラス)、キム・ジンヤ(仁川ユナイテッド)。彼らの姿を見るとロナウドは足を止めた。

 そして笑顔を見せ、写真撮影に応じたのだった。

 その行動に驚いたのは言うまでもないが、これまでの殺伐とした雰囲気とは逆にとても微笑ましい光景だった。

 Kリーグの選手たちも満足げで、特にこの試合でゴールを決めたセシーニャは、ロナウドがゴール後に見せる“仁王立ち”パフォーマンスをして存在をアピール。それだけに、ロナウドには特別な思いがあったのだろう。

 セシーニャはこの試合でMVPを獲得し、ロナウドとユニフォームも交換している。

 韓国で初めて見せたロナウドの屈託のない笑顔がそこにあった。この表情をもう少しファンに向けて発信してもいいのではと思ったが、そんな余裕を持てないくらい、彼にとっては過密スケジュールだったのは理解できる。

 少し落ち着きを取り戻したかのように見える“ロナウド騒動”だが、どのような結末を迎えるのか。このまま時間が過ぎ去るのを待つということだけはなさそうだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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