U-20女子ワールドカップはノックアウトステージに突入。グループリーグ総括(1)
【厳しいグループを勝ち抜き、決勝トーナメント進出】
パプアニューギニアで行われているU-20女子ワールドカップは、グループリーグを終えて、準々決勝に進出する8ヵ国が出揃った。
グループAは北朝鮮(1位)とブラジル(2位)、グループBは日本(1位)とスペイン(2位)、グループCはアメリカ(1位)とフランス(2位)、グループDはドイツ(1位)とメキシコ(2位)が勝ち上がり、日本は24日(木)の準々決勝で、ブラジルと対戦する。(※)
4つのグループの中でも、グループBは特に混戦となった。上位3チームが2勝1敗の勝ち点6で並び、得失点差により、日本はグループリーグを首位で勝ち上がった。
日本が6-0と快勝したナイジェリアが、日本が0-1で敗れたスペインを下すなど、他チームの結果も味方につけてのグループ首位通過となったが、結果的に日本の得点の多さと失点の少なさが、決勝トーナメントに向けた良い流れを呼び込んだと言える。
グループリーグ3試合で、日本は11得点1失点。
失点の少なさでは、8チーム中ドイツと並んで最小(1失点)である。ゴール数では北朝鮮(13得点)やブラジル(12得点)が上だが、得失点差では、北朝鮮と並んでトップ(+10)となった。
スペイン戦は、拮抗した試合で敗れ、これまで各年代の世界大会で一度も負けたことのない選手達にとっては気持ちの切り替えが難しい状況だった。しかし、悔しい思いを重ねてきた上の世代が経験を伝え、チームを盛り上げることで、気持ちの切り替えもスムーズに進み、第3戦のカナダ戦では日本らしいサッカーを貫き、理想的なスコアで勝利し、決勝トーナメントに向け弾みをつけた。
【選手層の厚さが光る日本】
日本はこれまでに21人中17人が先発に名を連ね、フィールドプレーヤーは18人全員がピッチに立った。
高倉監督は大会期間中、コンディションの良い選手を最優先で起用することを明言しているが、その中でチーム内の競争も良い方向に作用している。短期間の連戦に臨む日本にとっては、その選手層の厚さが大きなアドバンテージになっている。
グループリーグ3戦目のカナダ戦、後半途中出場で積極的なプレーを見せた松原志歩は言う。
「決勝トーナメントは負けてしまったら終わりなので、このチームで(決勝までの)あと3試合できるように、次の試合もチーム全員で戦って、絶対に勝ちたいです。」
準々決勝のブラジル戦まで、あと2日。
ノックアウトステージは、負けたらそこで大会は終わる。当然、グループリーグとは相手のレベルや緊張感も違ってくるが、その厳しい戦いを勝ち抜くだけのモチベーションと実力が、今の日本にはある。
チームが立ち上がった時から、「世界一」を目指してきたチームだ。
決勝までの残り3試合、ヤングなでしこの挑戦を最後までしっかりと見届けたい。
※ブラジル戦は24日(木)18:20~21:30(日本時間)にフジテレビNEXTで生中継。