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U-20女子ワールドカップはノックアウトステージに突入。グループリーグ総括(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
厳しいグループステージを勝ち抜き、チームは進化を続ける(C)松原渓

パプアニューギニアで行われているU-20女子ワールドカップは、グループリーグを終えて、準々決勝に進出する8チームが出揃った。

日本は24日(木)の準々決勝でブラジルと対戦する。

(1)はこちら

【選手コメント(カナダ戦翌日)】

長谷川(左から2番目)
長谷川(左から2番目)

MF 長谷川唯

ーーカナダ戦を振り返って、あらためて勝利の手応えについてお聞かせください。

前半は風の影響で右サイドにボールがあることが多く、後半は左サイドにあることが多かったんですけれど、日本のサッカーがグラウンドの状況や風に影響されることが多くて、試合では自分と(北川)ひかるの左サイドで、パスが弱くなったり、ミスが出てしまったので、風にも対応できるようにならなければいけないと感じました。

ーー2戦目までと比べて、カナダ戦はやりやすさがありましたか?

3試合を振り返ると、ナイジェリア戦が良かった試合だったと思います。第2戦でスペインに負けてから、チームとして気持ちの切り替えが難しいところがあったんですけれど、カナダ戦で点をたくさん取って勝てたことはチームにとってプラスでした。

自分の場合は(2014年の)U-17(女子ワールドカップ)は負けなかったんですけど、その前の大会(2012年U-17女子ワールドカップ)で負けたことがありますし、U-19(AFC 女子選手権)でもU-20(女子ワールドカップ)の切符を逃したことがあるので、気持ちのコントロールはそれほど難しくはなかったです。でも、チーム全体を見ると落ち込んでいる選手も多く、経験のある人が励ましたり、チームを盛り上げる気持ちが強かったので、カナダ戦はいい試合ができたと思います。

ーーカナダ戦は守備面で、長谷川選手のところでボールを奪う場面もありましたが、チームとして前線からパスコースを限定する中で、自分の判断でボールを奪いに行っていた部分もあったのでしょうか?

チームとして、どこでボールを奪うかということをはっきりさせるために、前線で限定して、他のポジションで取ろうという意図はあります。ただ、自分のところで取れるのなら取りたいとも考えているので、1対1のところで勝てるように意識しているんですけれど、その意識が少し強すぎたかなと思います。奪いに行き過ぎて、ドリブルで抜かれた時のことを考えたら、チーム全体としての狙いを考えて、コースを限定して奪うことも大切だと思います。

ーースタンドの応援についてはどのように感じましたか?

結構、カナダの応援が多いかなと感じていました。でも、パプアニューギニアに来て、日本が試合をするときにこちらの現地の日本人の方や、日本人ではない方もすごく応援してくれて、それは本当に、自分たちにとって力になっています。

ーー決勝トーナメントに入って厳しい戦いが続くと思いますが、ブラジル戦に向けてどのような意気込みで臨みますか?

スペイン戦のように、1回負けても次があるという状況ではなく、本当に負けられない戦いです。本当に試合の入り方が大事だと思うので、いいコンディションで試合を迎えることが重要だと思いますし、気持ちの部分で絶対に負けないようにしたいです。

技術では上回れると思いますし、自分たちの力を100パーセント出して勝てるように頑張ります。

松原
松原

MF 松原志歩

ーーカナダ戦は後半途中から出場しましたが、監督からはどのような指示を受けてピッチに入ったんですか?

積極的に仕掛けて、最後はクロスやシュートで終わったり、プレーをはっきりさせることと、「点を取って来い」と言われて、試合に出ました。

ーーあらためて、ご自身のプレーを振り返って、良かったところと課題をそれぞれ教えてください。

積極的に仕掛けてシュートまで行ったり、タイミングよくオーバーラップできて、そこから点につながったところは良かったんですけれど、簡単なパスミスとか、体で負けてしまったところは課題です。

ーー練習から激しくぶつかり合う場面もありますが、チーム内の競争も高まっていますか?

監督がみんなを平等に見て、調子の良い選手を使うと言っているので、練習でアピールして、自分のプレーが良かったらスタメンを狙えると思っているので、気合いを入れて練習を頑張っています。

ーー練習でも積極的に声を出して盛り上げていますが、以前と意識が変わった部分はありますか?

コーチ陣や(乗松)瑠華さんからも、自分がチームを引っ張って行けと言われることがあるので、みんなに引っ張ってもらうばっかりじゃなくて、自分も声を出して引っ張っていきたいと思っています。

セレッソ(大阪堺レディース)では最年長なので、自分と(西田)明華で引っ張っていこうという話はよくしています。

ーーいよいよ決勝トーナメントに入ります。今の心境はいかがですか?

決勝トーナメントは負けてしまったら終わりなので、このチームで(決勝までの)あと3試合できるように、次の試合もチーム全員で戦って、絶対に勝ちたいです。

杉田
杉田

MF 杉田妃和

ーーカナダ戦を振り返って、いかがでしたか?

ベンチスタートで、外から見ていてチャンスも何本か作れていましたが、得点する前にピンチもあったのでヒヤヒヤしました。でも、1点取ってからは恐れずに自分たちのプレーができるようになったと思うので、出場してからはさらに流れを良くしていこうと意識して入りました。相手の配置を見て、空いているところだったり、ここはいけるんじゃないかなというところが見えたので、そのスペースをうまく使いたいと考えていました。ボールを受けてはたく(出す)というところや、縦のパスを狙うことも、少しですけど出していけたと思います。得点もできたので良かったです。

ーーカナダ戦では本来の日本の良さを出せたのでしょうか?

自分がボールを欲しいと思って走り出す速さや個人技の速さは、スペイン戦よりも良かったと思います。ボールを持っている人も困らないし、ボールを受ける人ももらいやすく、どっちもいい準備ができていました。両方がやりやすいと、ボールが回ります。そういったところでは、日本らしさが出ていたと思います。

ーー日本から応援してくださるみなさんに、どのようなプレーをみせたいと思いますか?

やっている選手もですが、見ている人たちがすごく楽しいとワクワクしてくれるようなサッカーをしていきたいです。

ーーすぎた選手は、練習中から球際での強さが光りますが、どんなことを意識していますか?

中盤なので、簡単に抜かれてしまうのはポジション的にも良くないし、負けることが嫌なので、練習から球際で勝つことをイメージしてプレーしています。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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