特別なスープ「あったかいんだからぁ」(クマムシ)の心理学:私達みんなが求めていること
人はみな、「特別なスープ」を求めています。「あったかいんだからぁ」。
■特別なスープ「あったかいんだからぁ」(クマムシ)
大流行中の漫才コンビ「クマムシ」の歌です。
♪特別なスープをあなたにあげる。あったかいんだからぁ♪
一度聞くと、つい歌いたくなります。フリの真似をしたくなります。
漫才のネタだったのに、1曲の歌になってしまいました。
今回は、芸能ネタではなく、この歌を通して、人間が普遍的に求めていることを、心理学から語ります。
■特別なスープ
人はみな、「特別扱い」を求めています。大人も子どもも、同じです。
「子どもは親から平等に愛されることを望んでいません。特別に愛して欲しいのです。」(浅田舞さん浅田真央さんから学ぶきょうだいの心理学:トラブルと解決法:Yahoo!ニュース個人有料)
ホステスさんやキャバ嬢さんに、「私はお客さん様みなさまを平等に愛します」と言われて喜ぶ男はいないでしょう。「俺に気があるな」、「特別に愛されているな」と思いたいのです。
ただし、私達はテレパシーは使えません。特別な愛を、何かの形で表さなくてはなりません。以前、「バターキャンディー」のCMで、おじいさんが昔を思い出して言うこんなセリフがあります。
「私が子どもだったころ、こんなに美味しいバダーキャンディーをもらえる私は、特別な子だと思っていました。」
特別な物をもらうなど、特別扱いされていると感じることで、特別に愛されている、自分は特別な存在だと実感できます。「特別な存在」とは、特別優秀という意味ではありません。かけがえのない、大切な存在という意味です。
「特別な物」も、特別に高価である必要はありません。お母さんが、子どものために一生懸命作ったみそ汁は、「特別なスープ」です。
■あったかいんだからぁ
愛されていると感じると、心があたたかくなります。心の傷が癒されます。人を愛する心が生まれます。温かな人間関係が作れます。やる気が出ます。これらは、メルヘンの話ではなく、心理学の実証科学の話です。
多くの心や行動の問題は、愛されていると感じられず、温かな心が持てないことから生まれます。
人はみな、温かで特別なスープを求めています。心がすさんでしまうと、他の人の親切を受け入れられなくなるのですが、「あったかいんだからぁ」「あったかいんだよ」と一生懸命すすめてくれる人がいます。
もしかしたら、もう目の前にあるのに、気づいていないだけかもしれません。
もしかしたら、あなたが作る特別なスープを、待っている人がいるかもしれません。