キューバ出身のメジャーリーガーにもWBC出場の道が開ける。彼らが揃って参加すれば…
来年開催のWBCは、キューバのナショナル・チームにメジャーリーガーが加わる。
12月24日にロイターが報じた記事によると、キューバ野球連盟は、メジャーリーグでプレーしている、あるいはアメリカ合衆国に在住しているキューバンのWBC出場について、アメリカ合衆国政府の許可が下りた、と発表したという。
これに先立ち、MLB.comのフランシス・ロメロは、先月半ばにこう報じていた。「情報:ヨアン・モンカーダとルイス・ロバートは、WBCのキューバン・ナショナル・チームに加わることに「イエス」と言っており、予備ロースターの50人に入るだろう」
モンカーダとロバートは、シカゴ・ホワイトソックスの三塁手とセンターだ。
ホワイトソックスには、同じくキューバ出身の捕手、ヤズマニ・グランダルがいる。今オフにホワイトソックスからFAとなり、ヒューストン・アストロズと契約を交わした、一塁手のホゼ・アブレイユもキューバ出身だ。アブレイユのアストロズ入団については、「「打点マシン」の一塁手と3年5850万ドルで契約。年齢は30代後半ながら、前任者と比べると若返り」で書いた。また、福岡ソフトバンク・ホークス在籍中に亡命したオスカー・コラスは、今年1月、ホワイトソックスに入団した。今シーズンは、マイナーリーグの3クラスで計117試合に出場し、23本塁打、出塁率.371、OPS.895を記録した。
こちらもキューバンのランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)とネスター・コーテズ(ニューヨーク・ヤンキース)は、それぞれ、メキシコとUSAの選手としてWBCに出場することを表明している。アロザレイナはキューバから亡命したが、コーテズは幼少時に家族揃ってUSAへ移住した。だが、この2人を除いても、キューバ出身のメジャーリーガーは少なくない。
例えば、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)は、ここ2シーズンとも30本以上のホームランを打っている。今シーズンは、37本塁打、出塁率.406、OPS1.019。MVP投票では、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ、ア・リーグ3位に位置した。元・読売ジャイアンツのアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)は、昨シーズンが31本塁打、今シーズンは27本塁打。16盗塁と25盗塁も決めている。ホルヘ・ソレーア(マイアミ・マーリンズ)は、2019年の本塁打王だ。この年、48本のホームランを打った。
現在はFAのホゼ・イグレシアスやユリ・グリエルに、当然ながら、ルルデス・グリエルJr.もキューバンだ。ルルデスは、今オフのトレードでトロント・ブルージェイズからアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した。
野手だけでなく、リリーバーもいる。アロルディス・チャップマン(現FA)は、全盛期を過ぎた感もあるが、ライセル・イグレシアス(アトランタ・ブレーブス)は、夏にロサンゼルス・エンジェルスから移籍後、28登板の26.1イニングで自責点1、防御率0.34を記録した。シーオネル・ペレス(ボルティモア・オリオールズ)は、今シーズン、ブレイクを果たした。こちらは、66登板の57.2イニングで防御率1.40だ。
彼らのうち、誰がWBCに出場するのかはまだわからないが、全員でなくても数名が加われば、キューバは、USAの連覇や日本の3度目の優勝を阻む、筆頭候補となり得る。