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“日本一黒いグラドル”の次。橋本梨菜が語る苦悩と今後

中西正男芸能記者
仕事への思いをストレートに語った橋本梨菜

 “日本一黒いグラビアアイドル”として知られる橋本梨菜さん(26)。映画初出演にして主演を務める「はぐれアイドル地獄変」が9月12日から公開されるなど、さらに活動の幅を広げています。順調にも思える芸能活動ですが、今の悩み、そして、今後への思いをストレートに明かしました。

正面から向き合うしかない

 映画の撮影をしたのは去年の11月でした。ただ、私が演じる役が琉球空手の達人ということだったので、撮影の3~4カ月前からアクションのレッスンに通って、ミット打ちから基礎を習いました。

 これまでもお芝居のお仕事をさせてもらったことはあったんですけど、実は、苦手意識がすごく強かったんです。

 本当に正直な話、できれば、セリフは多くない方がいい。役柄も、できれば難しくない役がいい。苦手意識が先に出てしまって、自分が苦労しない道を選んできました。

 でも、今回は初めての映画だし、しかも主演。セリフが少ないわけもないですし、それだけでなく、いろいろな方からも「主演ということは、梨菜ちゃんが座長なんだよ」と何度となく言っていただきました。

 苦手だから避けるなんてことが全くできない環境ですし、正面から向き合うしかない。私が演じた主人公の女の子もそんな役柄なんですけど、まっすぐ向き合ってあらゆる状況と戦っていく。まさに、そんな撮影にもなりました。

 そして、これはすごくありがたいことなんですけど、周りの方々が本当に経験ある素晴らしい役者さんばかりだったので、本当に、本当に、支えていただきました。おかげで、お芝居で初めて達成感を得ることができました。

大人たち全員が敵

 そもそも、私がこの世界に入るきっかけとなったのは、7歳の時に、地元の大阪府枚方市で行われていた「枚方こどもミュージカル」に出たことでした。

 夏休みに小学生ばかりでミュージカルを作っていくんですけど、その時に「歌って踊ってステージに立つって、こんなに楽しいんだ!」という感覚になったんです。

 さらに、お父さんが熱烈な近鉄バファローズファンでして。当時、近鉄のファンクラブのCMに出るオーディションのお知らせが新聞の広告欄に載っていて、オーディションに受かったら(近鉄のホームだった)大阪ドームの年間シートがもらえたんです。なので、お父さんからの猛プッシュもあって(笑)、受けてみたら合格してCMに出ることになったんです。それが小学3年の頃で、そのあたりから事務所にも入って、芸能活動をやり始めたという流れでした。

 本格的に、今のグラビアの道に進んだのが大学在学中でした。大阪で大学に通っていたんですけど、徐々に東京でのお仕事もいただくようになってきて、そんな中、周りから勧められたこともあって受けたのが「汐留グラビア甲子園2014」というコンテストだったんです。

 それまでは人前で水着になることに抵抗がありまくりだったので、自分がグラビアをやるなんて発想がなかったんですけど、勧められるがままに出て、なんと、そこで準グランプリをいただいたんです。

 その副賞がDVDを出せる権利ということだったので、いただいた以上は出すしかないと思って、やらせていただいているうちに、今に至るという感じです(笑)。

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 普通、グラビアのお仕事は、それこそ、雑誌のグラビアとか写真から入るものらしいんですけど、私は初めてのグラビアのお仕事がDVDという珍しい形でした。

 初めてのグラビアの上、それがよりプレッシャーのかかる映像。撮影地の沖縄まで行って、ワンカット目を撮るまでは、これも本当に正直な話、そこにいる大人たちが全員敵に見えてました。嫌なことを今からやらされるみたいな感覚になっていたので。

 ただ、始めてみて、その場で撮った映像を見せていただきながら撮影は進んでいくんですけど、その映像が「グラビアって、こんなにも綺麗に撮っていただけるんだ」と驚くくらいに綺麗だったんです。

 その道のプロの大人たちがたくさん集まって、自分を魅力的に撮ることに力を尽くしてくださっている。映像を見た時に、それを強く感じて、なんと素晴らしくて、ありがたい空間なんだと思ったんです。

 もちろんプレッシャーや緊張感もあるんですけど、それ以上に充実感や嬉しさが勝っているというか。帰りの飛行機では「グラビアやりたい」と心底思ってました。

“日本一黒い”の次

 そうやってグラビアを始めて、その中で“日本一黒い”というキャッチフレーズをつけていただくようになったんですけど、もともと焼けやすい体質なんです。今も、日焼けサロンとかで焼いているわけではなく、普通に日常生活の中でナチュラルに焼いています。

 今、振り返ると、ファーストDVDの頃は、焼けないように日焼け止めを塗ったりしてたんです。でも、どうしても焼けてしまう。もともと、海とかアクティブなことも大好きなので、それもあって、さらにどんどん黒くなって。デビューから1年経った頃、関係者の方々から「あの色黒の子、どこの事務所なんですかね?」という感じで、問い合わせが来たりもするようになったんです。

 そのうち、取材の記者の方々が「今一番黒いグラドル」とか「太陽が似合うグラドル」みたいな見出しをつけてくださって、それならば、逆に焼けるところまで焼いてみようと。極めた方が道が拓けるんじゃないかとなって、その道を歩むようになりました。

 例えば、胸が大きい。これもグラビアをやる上でプラスになると思うんですけど、胸が大きい子はたくさんいます。ただ、これだけ色が黒い子はなかなかいない。実際「あの色黒の子だよね」と覚えてもらえることも増えました。その意味では、色が黒いことは間違いなく、自分のセールスポイントにはなっていると感じています。

 でもその反面、もし、自分が体を焼かなくなった時に、自分が売り出せるものは何なのか。色黒というところで興味を持ってもらったとして、そこから自分は何をお見せすることができるのか。今、そういう不安があるのも事実です。

 今回の映画のお話は、主人公の女の子が沖縄出身で色黒という設定だったこともあって、私にお話がいただけました。それは本当にありがたいことですし、もちろん、一生懸命にやらせていただくんですけど、今後、さらに女優のお仕事を続けていくならば「女優として、何ができるか」という壁に必ずぶち当たるとも思っています。

 ここは、まさに今考えているところなので、明確な答えが現時点であるわけではないんです。でも、一つ一つ全力でやっていく中で、その答えみたいなものが見つかったらいいなとは思うんですけどね。

 あと、グラビアのお仕事は、私にいつまで需要があるかは分かりませんけど、お話をいただける限り、続けていきたいと思っています。やっぱり、私はグラビアが好きなんです。

 いつかはグラビアもできなくなるとは思いますけど、少なくとも今は、もっと黒い子が出てきたら悔しいと思うので(笑)、まだ日本一を張ってたいですね。

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(撮影・中西正男)

■橋本梨菜(はしもと・りな)

1993年9月13日生まれ。大阪府出身。リップ所属。地元・枚方市での活動をきっかけに、7歳から舞台に立ち、アイドルユニット「SKETCH」のメンバーとしても活動。大学在学中に周囲の勧めで出場した「汐留グラビア甲子園2014」で準グランプリを獲得し、その副賞として初DVD「フェアリーナ」をリリースする。日焼けした健康的な肌で「日本一黒いグラドル」「なにわのブラックダイヤモンド」などの異名をとる。映画初出演にして主演を務めた「はぐれアイドル地獄変」が9月12日から公開される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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