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松本人志さんの裁判終結から1週間。結局どういうことだったのか。取材した事をできるだけ簡単に説明します

中西正男芸能記者
(写真:アフロ)

松本人志さんが週刊文春などを相手に訴えた裁判が終わりました。

極力、分かりやすく、シンプルに、取材したことを元に説明させてもらいます。

ボクシングに例えると「えっ、なんかパンチ当たった?何が起こったの?」という中、ゴングが鳴った。なので、多くの人が「結局、何がどうなったの?」という“よく分からない感”

を残したままの幕引きになっていると思います。

ただ、事実として試合は終わった。もう両者リングからおりました。だから、ここから殴り合いをすることはない。試合が終わったのに相手の控室に殴りこんでいく。そんなことがあっては大変だし、普通はない。そんな時間が1週間流れたのが今です。

そして、松本さんがリングをおりた理由。それはコメントにもあったように「物的証拠がないこと等を含めて確認」というパンチを当てたから。松本さん側の感覚からすると、このパンチは相当実力差がないと当たらない。このパンチを当てたことで、リングに上がった意味はあった。そんな思いがあったと聞きます。

そして、記者会見はしない。これも複数の関係者から聞いたことです。

リングをおりるにあたってコメントを出した。このコメントは松本さんサイドのみならず文春側も精査に精査を重ねて作り上げたもの。日本刀の上でコマを回すに等しいくらい、ギリギリのラインにこだわって細かく組み上げたコメントから外れる話はできない。あのコメント以外のことを話すと、それはまた相手に殴りかかることになる。なので、会見のしようがない。

といった現状を踏まえて、仕事復帰はあるのか。松本さんは仕事復帰に意欲を燃やしていると聞きます。だからこそ、裁判をやめた。ただ、先述したようなことが今のリアルだとなると、それでは見る側に違和感が残るのもリアルなところです。

僕が取材する限り、復帰に関して具体的なことはまだ何も決まっていない。テレビ局にしても、今の状況の松本さんを使うリスクは相当あるということは当然分かっています。

まだ何も決まってはいないが、時期的な一つの目安としてこれも複数の関係者から聞く日にちが来年1月9日。この日は松本さんが仕事を休んだ日であり、ちょうど一年が経つことにもなります。

ただ、当然ながら、全ては見る人の心次第です。松本さんがテレビに出てきて面白いことを言ったとしても「で、裁判はどうなったの」「何が本当なの」「被害にあったとされる女性とどう向き合っているの」など気になるポイントがある状況でお笑いをするのは難しい。

僕もたびたび松本さんの話を綴り、あらゆる媒体で話もしています。そのたびにSNSを中心にこれでもかと苛烈なコメントが寄せられます。

本当のことが分からない、提示されないからこそ、生まれるひずみ。ゆがみ。そして、分断。これも大きな問題だと思いますし、それがあるうちは繊細極まりない笑いという商品を扱うのは厳しいのではとシンプルに思います。

松本さんが会見など自らの口で説明することは難しい。それも現実ですが、何らかの方法で違和感を取り除かないと道が切り開かれないのも現実。これもシンプルに感じることです。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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