IBF8位のお寒過ぎたファイト
フレディ・ローチの教えを受ける16勝(13KO)1敗1分のエルビス・ロドリゲス(28)が、21勝(9KO)6敗のケンドー・キャスタネダ(30)とスーパーライト級で戦った。IBFで同級8位にランクされるサウスポーのロドリゲスは、2019年から3年ほどTop Rankとプロモート契約を結んでいた。
しかし、2021年5月22日にWBC USAタイトル空位決定戦で判定負けし、ボブ・アラムから袖にされる。その後、3つのKO勝ちを含む4連勝をマークし、今年5月に同社との再契約に漕ぎ着けた。
6月29日にTOP Rankでの再デビューを果たすも、ファーストラウンドにダウンを喫しての判定勝ち。2度目の契約の際、アラムは「エルビス・ロドリゲスは最高レベルの才能を持ち、彼がまたトップランク・ファミリーに加わることに興奮している。140パウンドの彼にはビッグマッチのチャンスがたくさんある。もし彼がポテンシャルを最大限に発揮すれば、いつか世界チャンピオンになれるだろう」と大風呂敷を広げていたが、輝かしい未来を感じさせる内容とは言えなかった。
そして、直近の相手に抜擢されたキャスタネダは、<安牌>として呼ばれた男だった。斬られ役と向かい合ったロドリゲスは、見ている時間が長く、なかなか手を出さない。肉体的には恵まれているように映るが、アラムの言う「能力を100パーセント絞り尽くす」努力を日頃から行なっているのか?という疑問が湧くファイターだ。
2度目の契約を締結した折、ロドリゲスは次のように話していた。
「“自宅”に戻れるので、本当に素晴らしい気分です。私は常にTop Rankのファイターであると感じてきました。このプロモート会社は私をスターにしてくれました、そして、いずれチャンピオンにしてくれるでしょう。一時解雇されましたが、次の試合は100パーセント集中して向かいます」
大プロモーターが若手を売り出す時、簡単に勝てる相手を選び、連勝させることが近道となる。そのポジションを得たロドリゲスのマネージャー、ベニー・リーブラインも喜びを隠せなかった。
「我々は、Top Rankに戻って来られた事を、嬉しく感じています。エルビスはとてもエキサイティングなファイターであり、ボクシング界が待ち望んだ逸材です。スーパーライト級のトップ選手たちにタイトル挑戦を打診しており、同社がその戦いをセットしてくれると信じます。
チャンピオンたちは、皆、最も楽な相手と戦う道を選んでいますね。Top Rank社が彼をうまく扱い宣伝すれば、タイトル保持者たちは、もうこれ以上エルビスを避けることはできないでしょう」
サウスポーであるマニー・パッキャオを覚醒させた指導者、フレディ・ローチのコーチを受けるロドリゲスだが、お世辞にも見応えのある試合と言えなかった。
100-90、100-90、99-91で判定勝ちし、戦績を17勝(13KO)1敗1分としたドミニカ人ファイター。Top Rankは、本気で世界王座を狙わせるのか……。