賞味期限の過ぎた卵はどれくらいまで食べられる?正しい卵の保存法 #専門家のまとめ
卵を食べる習慣は室町時代に広まった。江戸時代には水戸光圀らが養鶏の普及に努め、当時すでに卵を生で食べていたそうだ。
「卵かけごはん」が生まれたのは江戸時代の中期。明治時代に新聞記者や実業家として活躍した岸田吟香(ぎんこう)が卵かけごはんを世に広めるきっかけを作ったとのこと。
日本人は年間平均で338個の卵を食べている、世界第2位の卵消費国だ。筆者の記事でも卵に関する記事は一年を通して多く読まれている。では、市販されている卵は、賞味期限が過ぎたあと、はたしてどれくらいまで食べることができるのだろうか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
英国・ハンフリー博士の実験によれば、卵は10度以下で保存した場合、産卵から57日間、生の状態で食べることができる。
日本の市販の卵は産卵から1週間以内にパックされ、パックされてから2週間を「賞味期間」としている。実験結果にもとづけば、賞味期限が過ぎてから1ヶ月以上(36日間)生で食べることができることになる。
市販の卵のパッケージには「賞味期限を過ぎたら加熱調理してお早めにお召し上がりください」と書いてある。賞味期限が過ぎた卵は、生で食べることは推奨されないが、加熱調理すれば1ヶ月程度は食べることができる、ということになる。
注意するのは、ゆでてしまうと生卵より賞味期限を短くしてしまうことだ。卵白にはリゾチームと呼ばれる菌を溶かす酵素が含まれるが、ゆでるとこの酵素の働きが失われてしまうので、生で保存すべきである。
まとめると、次のようになる。
「市販の卵の賞味期限は、生でも安心して食べられる前提で設定されています。10度以下で保存していれば、印字してある賞味期限が切れてからも36日間、生で食べることができます。ただし、念のため、賞味期限が過ぎた場合は早めに加熱調理して食べることをお勧めします」