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新人合同自主トレも始まって鳴尾浜は盛況!阪神タイガース

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
10日の鳴尾浜、川藤OB会長に挨拶する新人たち。スタンドのお客様も増えました。

鳴尾浜の新年おなじみの光景といえば、鮮やかなグリーンのビブス(ベスト)でしょうか。昔々は、ただ名前の入った紐付きゼッケンだったような…。でも10年前にはもう今のような形になっていましたね。グラウンドでの新人選手は、それぞれ名前が入ったビブスを着用、遠目でも誰かわかるようになっています。

ランニング中の小豆畑選手。雪らしきものが降っていました。
ランニング中の小豆畑選手。雪らしきものが降っていました。

きのう10日は予報に反し、晴れ間が多くて助かりました。お昼ごろにスタンドへ足を運んだら、お客様も「思ったより暖かい」とほっこりした様子。確かに風がない時間帯はポカポカの見学日和だったかもしれません。朝は、右の小豆畑選手の写真でわかるように“何か”降っていましたよ。クッキリ見えた、あの感じでは…ただの雨じゃなかったはずです。本当に日差しと風次第で体感が大きく変わる季節。見学される方は、たとえ荷物になろうとも万全の防寒対策でお出かけください。

3日目の練習が終わったあと、ドラフト2位の石崎投手と、4位の守屋投手の2人が取材に応じてくれました。この囲み取材、初日は全選手で2日目以降は記者陣から「きょうは○○選手と○○選手」と希望を出すシステムになっています。2日目は3位の江越選手と5位の植田選手の野手2人だったので、今度は投手2人ってことでしょう。ちなみに9日は『左胸鎖関節の炎症』という発表があったため、急きょ1位・横山投手の取材もありました。

腕を回しながら走る(右から)横山投手、石崎投手、江越選手。
腕を回しながら走る(右から)横山投手、石崎投手、江越選手。

その横山投手は10日も、キャッチボールやペッパーなどには参加せず。でも写真のように、両腕を大きく回す動きは大丈夫みたいですね。昨年末の球団メディカルチェックでも判明していたというものの、痛みというより違和感らしく、大きな問題ではないとか。視察に訪れた和田監督も「無理はさせないということ。我々サイドの状態では順調ですよ」と話していました。様子をみながらの練習になりますが、本人は「責任を持って完治できるようにしたい」との意向。焦る気持ちを抑えて、春を待ちましょう。

林昌勇を彷彿させる、石崎

では取材した2人のコメントを紹介します。まず石崎投手は「一応ペースというか流れは、3日目にしてようやくつかめてきたかなと思います」と振り返りました。キャッチボールも「今のところ順調です」とのこと。キャッチボールを見た山口1軍投手コーチが「投げ方が林昌勇(イム・チャンヨン)に似ている。おもしろい」という感想だったと聞き「ほんとですか?へえ~!」と、思わず笑顔がこぼれました。

ドラフト2位の石崎投手。同期で最年長とあり、みんなを引っ張っています。
ドラフト2位の石崎投手。同期で最年長とあり、みんなを引っ張っています。

「そんなにフォーム的に誰かをイメージしたことはないですね。最初は上から投げていたのをスリークォーターに変えてから、十亀さん(西武)の下半身の使い方を参考にさせてもらいました。でも独自というか、自分の投げ方でやっています。似ていると言われたこともないですねえ」

林昌勇投手投手の印象は?「サイドスローで球が速くて、ヤクルトの頃にテレビで拝見したことがあります。そのころ自分はサイドスローではなかったんですけど、サイドでこんな速い球を投げられるんだと思って見ていました」。スピードについては「速ければ速いほどいいですが、まずは自分の球を投げられるようにということを一番に考えたい」と話しています。そして「皆さんの期待に応えられるよう、もっともっと努力して盗めるところはあれば見て学びたい」と意欲的。

オーバースローからスリークォーターに変えたのは約3年前で、きっかけは「腰の故障があり、腰に負担のかからない投げ方をというので腕を下げた」そうです。合わせて体幹を鍛えるトレーニングも継続中で「腹筋などは1日に最低500回。やらないとケガしてしまうので腹筋、背筋、側筋、体幹を鍛えています。トレーニングのあと時間を見つけて、自分の部屋で100回だけでも」とのこと。時間を見つけてはもちろん、なければ時間を作ってでもやるくらいの気合いでしたね。

沖縄キャンプへ行けるかどうかの人選はこれから、との和田監督の言葉に「自分も行きたいとは思っていますが、ケガなくやっていけば自ずと結果は見えてくるので」。なかなか大人のコメントです。

守屋は、高校以来のバットに…

撮るタイミングが悪くて険しい表情…すみません!練習後の外出時はいい笑顔でした。
撮るタイミングが悪くて険しい表情…すみません!練習後の外出時はいい笑顔でした。

守屋投手はセンテンスが短め。練習終了直後で、まだ着替えどころかビブスもつけたままでしたからねえ。3日目が終わって体はどう?「結構、張っています。張ってますね」。そう繰り返して苦笑い。メニューについては「まあこれくらいかなという感じ」と、想定内ではあるみたいです。キャッチボールでの肩の仕上がり具合も「順調だと思います」と答えていました。

社会人時代の自主トレと比べて、今やっているのは同じようなものですか?「そうですね。でも社会人では、ペッパーとかバットを握ってやるメニューは、この時期まだなかったです」。バットといえば、社会人で打席には立っていませんよね?「DHなので。バットを持ったのは高校以来です」。それはそれは。しかもこの寒い中では手もしびれたでしょう。

ちなみにバッティングは?「全然打てないです」という回答の速かったこと。「バントもちょっと怖いですねえ。バッティング、嫌いなんで(笑)」。なるほど。でも打席に立つ機会はあるわけで「とりあえず速い球の目ならしを、マシンでしておけよとは言われました。スカウトの熊野さんから」と守屋投手。ただ自主トレをしていた岡山では、バッティングマシンがなくてできなかったとか。

入寮して、マシンをはじめ「いい施設だと思うので有効に使えれば」と話しています。ピッチングに関しては、今のところ「第3クールから立ち投げに入る」予定。このやり取りでは少し目がキラキラとしたような。楽しみですね。

先輩たちも続々と鳴尾浜へ

トレーナーを交えて談笑中の岩貞投手(右)と山本投手(左)。
トレーナーを交えて談笑中の岩貞投手(右)と山本投手(左)。
右ひざの術後、まだ1ヶ月ながら既にキャッチボールをしている小嶋投手。
右ひざの術後、まだ1ヶ月ながら既にキャッチボールをしている小嶋投手。
同じく右ひざを9月に手術した緒方選手。時おり明るい笑顔も見えました。
同じく右ひざを9月に手術した緒方選手。時おり明るい笑顔も見えました。

新人選手以外にも、鳴尾浜で自主トレを行う選手が徐々に増えてきています。きのう確認できたのはまず小嶋投手、小宮山選手、坂選手の同級生トリオ。二神投手、西田選手、ことし3年目の藤浪投手、北條選手、小豆畑選手、緒方選手。そして2年目を迎える岩貞投手、横田選手、陽川選手、梅野選手、山本投手、岩崎投手。彼らはキャッチボールをしてから外野でノックを受け、個々にランニング。あとは室内でのバッティングやウエートトレーニングなどをするため、午前中でグラウンドを引き揚げました。また移籍組の桑原投手とトラヴィス選手もいます。

小嶋投手は昨年12月2日に、また緒方選手も9月16日に同じ『右ひざ内側半月板のクリーニング術』を受けたためリハビリ中です。とはいえ2人ともキャッチボールをやっているんですよ。特に小嶋投手がもう普通にキャッチボールしていてビックリ!ついでに髪の毛が伸びていてビックリ(笑)。聞いたら「ずっと切らない」と笑っていましたが、帰りに「そう言いながら、すぐ切るかも」と。なので写真を載せておきましょう。まあキャンプまでには間違いなく切りますね。

西田選手(左)と北條選手(右)。ここに陽川選手も加わり、体操教室に?
西田選手(左)と北條選手(右)。ここに陽川選手も加わり、体操教室に?
投げるボールがビュンビュン、キレキレの久保田打撃投手。
投げるボールがビュンビュン、キレキレの久保田打撃投手。

小宮山選手はきょう11日から沖縄へ移動しての自主トレ。「意外と1月は雨が多くて寒いこともあるので」と心配していましたが、週間予報を見ると雨はなくても気温が思いのほか低めですね。鳴尾浜よりは暖かいでしょうけど、せっかく行くのだから沖縄らしいことを祈っています。西岡選手、日本ハム・中田選手との“チーム大阪桐蔭”自主トレに参加している西田選手は、きのうが休日だったので鳴尾浜で自主練習。北條選手らと一緒で楽しそうでしたよ。

新人を指導する伊藤トレーニングコーチをはじめ、そんな選手たちを見守る和田監督、平田ヘッドコーチ、山口投手コーチ、ファームの古屋監督、吉田バッテリーコーチ、スカウト陣や、サポートするトレーナーの皆さん。それに打撃投手、ブルペン捕手の方々も自主トレ中です。久保田投手…ではなく、新打撃投手の久保田さんも力強いキャッチボール。今にもブルペン一番乗り?という頼もしさでした。今年もどうぞよろしくおねがいします!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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