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ニューヨークで史上2番目の豪雪記録 今アメリカで流行っている映像

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
週末NYタイムズスクエアで行われた雪合戦の様子(写真:ロイター/アフロ)

ニューヨーク市が雪に埋まっている。22日(金)からの降雪が68.0センチに達し、1869年の統計開始以来2番目に多い記録となった。2006年の観測一位の記録まで、あとわずか0.3cmと迫った。

ニューヨーク市は非常事態宣言を出し、市民に外出を控えるよう注意を促した。またブロードウェイの公演が中止となり、地下鉄以外の鉄道やバスなども運休、道路の通行を禁止する措置なども取られた。

AP通信によると、交通事故や一酸化炭素中毒などにより、全米で少なくとも28人が死亡したという。

雪を降らせた低気圧の正体

ノーイースターと呼ばれる低気圧が、アメリカ東海岸を沿うように北上した。この時、大西洋からの湿った空気と、大陸からの冷たく乾いた空気とがぶつかり、ワシントンDCやニューヨークなどの沿岸の地域に大雪を降らせた。当初の予測よりも低気圧が急発達し、より北に進んだことから、ニューヨークでも異例の大雪となった。

大雪なのに、明るいアメリカ人

ところで、アメリカで大雪が降った時に、しばしば国民性の違いを感じることがある。おそらく日本人の多くの人は、大雪が降ると通勤が大変そうだとか、静かにじっとしていようなどと思うのだが、アメリカ人は楽しんでしまおうとしている人が多いような気がする。

例えば、交通機関が麻痺しているニューヨークやワシントンDCでスキーをしながら会社に向かう人々が複数いた。不自由な環境をフィットネスやレジャーの場だとポジティブに考えているように見える。

一方、今現在SNS上でこんな写真が流行っているという。それは、凍ったジーンズを雪の上に立てる映像(写真はこちら)。一見変だが、よく見てみると芸術作品にも見えなくもない。極寒の環境を逆手に取ったアイデアか。

さらに、見事な雪かきを披露する恐竜のビデオも話題を呼んでいる。(映像はこちら)。バカバカしいことは十二分に承知しているが、何気にあとをひくおかしさがある。

ただ、行き過ぎると興ざめだ。例えば、去年のボストンの大雪の時には、上半身裸で雪の中に飛び込む姿を動画におさめる人たちが後を絶たず、市長が止めるように注意喚起を促したことがある。

今後の天気

低気圧はすでに東の海上に去り、雪は日曜日には終わっている。ただ気温が低いために雪はしばらく解けそうもなく、27日(水)には大雪ではないものの再び雪が予想される。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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