アメリカ首都で非常事態宣言発令 百年豪雪のおそれ
現地時間22日(金)から24日(日)にかけてアメリカで記録的な大雪が予想されることから、北東部のワシントンDC、メリーランド州、ペンシルバニア州などで非常事態宣言が発令されている。大雪の影響は7500万人にも及び、都市機能が麻痺するおそれもある。
アメリカ版南岸低気圧「ノーイースター襲来」
関東地方に大雪を降らせるのは、日本の南の海上を移動する南岸低気圧である。低気圧が寒気を北から引っ張るために気温が下がり、雪になる。
同じように、アメリカ北東部に大雪をもたらすのは、ノーイースター(Nor’easter, 北東風)と呼ばれる低気圧である。冷たい大陸の空気を北東から引きずり込むために、ワシントンDC、ニューヨークやボストンと言ったアメリカ北東部に大雪を降らせることがある。
右上の図は、ノーイースターの予想進路図であるが、アメリカの南東部から進んできた低気圧が、土曜日ごろに大西洋に達し、その後海岸を沿うように北上する。
ワシントンDC、約百年ぶりの大雪か
この影響で、ワシントンとその周辺では暴風雪警報が発令されている。金曜日から日曜日の3日間で60センチ以上の雪が予想され、降れば、今から94年前の1922年1月27~29日以来の史上2番目に多い降雪となる。この時は71cmの雪が降り、雪の重さで映画館の屋根が潰れ、約100名が亡くなっている。
懸念されるのは、雪だけではない。低気圧の接近で風も強くなり、体感温度は氷点下-10℃を大きく下回る。また吹雪のため、視界はほぼすべて遮られる。さらにタイミングの悪いことに、週末はちょうど満月にあたり潮位が高くなるため、海岸が広範に浸水するおそれもある。
航空会社は軒並み運航を中止し、土曜日までに5000便の欠航を決めている。また商店には、大雪に備え食糧やバッテリーなどを買い込む客であふれ、レジには長蛇の列ができているという。気象局は、外出を控えるように呼びかけている。