鹿島はバルサになれるか。石井監督の思惑と、試合展開の妙
J1の開幕戦で、鹿島アントラーズがFC東京に0−1で敗れた。鹿島と言えば、いま日本で最も強いチームだ。11月末から強敵と12戦して、敗れたのはレアル・マドリーと、チャンピオンシップ決勝初戦の浦和戦のみ。その鹿島が、FC東京にしかもホームで敗れたのは、少々意外だった。
もっとも鹿島は、圧倒的な力を示してきたわけではない。チャンピオンシップ、天皇杯、ゼロックススーパー杯は、ほぼすべて接戦。クラブW杯もミラクルな勝ち上がり方だった。勝負強さを一番の武器にしながら。
具体的に言えば、後半に強かった。時間の経過とともに、サッカーはどんどんよくなっていった。最高潮に達するのは終盤。そこでバタバタになるJリーグの他チームとは、それこそが一番の違いだった。
FC東京戦も、後半の戦いは失点こそ許したが、悪くなかった。相手が引いてしまったこともある。1点を奪った後、特にその傾向が目立った。追って届かず。敗れ方としてはそれほど悪くないが、それだけに気になるのが前半部分の戦い方だ。
後半の戦い方が頭からできればと思うが、スロースターターと言いたくなるこの慎重な入りは、石井監督の意図する戦い方なのだという。先日、スポルティーバ誌のインタビューで、監督本人から直接うかがった話だ。
その哲学は、「まず守りから」だという。立ち上がりに不用心な失点をしない。耐えながら試合に入り、様子をうかがいながら前に出て行く後半勝負型を明確に打ち出していた。
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