第2戦目の相手はスペイン。2年前の決勝の再現、進化が問われる一戦に(1)
【心も体もリフレッシュして臨む第2戦】
U-20女子ワールドカップ(以下:U-20ワールドカップ)初戦でU-20ナイジェリア代表を6−0とくだした日本は、16日、第2戦でU-20スペイン代表戦に臨む。
この試合に勝てば、グループリーグ突破が決まるが、スペインは初戦でカナダに5−0と大勝しており、勝った方が「グループB」の1位通過に大きく前進する。
日本はナイジェリア戦の翌日(14日)は、出場しなかったメンバーを中心に約2時間のトレーニングを行い、前日の試合に先発したメンバーは終日オフとなった。
ポートモレスビーにおける治安面での不安も考慮し、各国チームは、大会中は試合と練習以外は宿泊するホテルから極力、外出せずに過ごしている。そんな中、日本の選手たちはそれぞれにオフの時間を工夫し、リフレッシュしたようだ。
昼寝をして体を休めた選手もいれば、映画を見て過ごしたという選手も。他にもトランプやジェンガなど、その内容は様々だ。
「体をしっかり休めて、心もリフレッシュできました。(対戦相手の)スペインも同じ条件なので、より良い準備をして臨みたいです。」
そう話すのは、センターバックの市瀬菜々。試合翌日のオフは、隅田凜とともに、日本から持参したぬり絵に耽(ふけ)ったという。
日本はスペイン相手に2014年のU-17女子ワールドカップ(以下:U-17ワールドカップ)コスタリカ大会で、グループリーグ初戦と決勝で2度対戦し、ともに2−0と勝利を収めた。今大会のU-20スペイン代表は、その時のメンバーが21人中10人を占めている。
一方、日本も当時のメンバーからは8人が今大会に選出されているが、市瀬は2年前、センターバックとして6試合にフル出場し、世界一に貢献した頼もしい存在だ。
「スペインには2年前のU-17(ワールドカップ)で2回勝っているし、今年のU-17(ワールドカップ)でも(準決勝で)勝っているので、強い気持ちで向かってくると思います。ただ、日本も前回大会(2014年U-20ワールドカップ)は出場していないですし、今大会はチャレンジャーの気持ちで臨みたいです。」(市瀬)
【日本への雪辱を誓うスペイン】
U-17ワールドカップで過去2大会にわたって日本戦で涙を飲んだスペインは、今大会で雪辱を果たす覚悟で日本戦に望んで来ることが予想される。
スペインはナイジェリアと違い、技術を生かしてパスをつなぐ、日本に近いスタイルを身上としている。2年前の決勝からどのような進化を遂げているのか。
日本対ナイジェリアの試合の前に行われた、スペイン対カナダの試合を取材したが、スペインは4−1−4−1のフォーメーションを採用していた。攻撃時は、2列目の両翼である、右サイドのNahikari Garcia(背番号7)と、左サイドのAndrea Farcon(背番号10)が攻撃の起点となり、決定的なチャンスを作っていた。2人とも、裏のスペースに飛び出すタイミングがよく、自ら切り込むこともできる。長身(170cm)でテクニックもあるボランチのPatricia Guijarro(背番号12)は、中央で攻守をつかさどっていた。3人とも、FIFA主催の国際試合のデビューが2年前のU-17ワールドカップの日本戦(グループリーグ初戦)で、決勝でもピッチに立っていた選手だ。トップのLucia Garciaは、U-20ナイジェリア代表との試合で、ポストプレーに安定感があった。初戦で2ゴールを挙げたストライカーを、勢いづかせないようにしたい。
スペインも日本の試合を会場で見ているため、日本の戦い方に対して、有効な対策を練って試合に臨むことになる。その中で、スペインが戦術やフォーメーションを変化させてくることも考えられる。 高倉監督は言う。
「スタイルは2年前とそれほど変わっていない印象ですが、あの時(決勝戦)は、日本のつなぐサッカーに対して、スペインは戦い方を工夫して蹴り込んできていたので、そういった状況も想定しています。しっかり集中してゲームに入れれば、いい試合ができると思います。」(高倉監督)
2年前からあらゆる面で進化を遂げたヤングなでしこが、その力をしっかりと示すことができれば、結果は自ずとついてくる。
スペイン戦は、16日(水曜日)現地時間16:00(日本時間15:00)キックオフ(フジテレビNEXTで、日本時間14:50〜17:15に生中継)。