平成最後の寒波と、「日の最高気温」と「日中の最高気温」の違い
南岸低気圧
前線を伴った低気圧が、東シナ海から九州を通って本州の南海上を東進しました(図1)。
このため、九州を中心に南海上から暖かくて湿った空気が流入して、まとまった雨が降り、雷雨となったところもありました。
また、平成最後の寒波が南下していたため、関東北部や甲信地方を中心に、雨ではなく雪が降り、開花したさくらの花びらの上に雪が降った地方もありました(図2)。
さくらが開花する時期は、「花冷え」という言葉があるように、ときどき寒気が南下して寒くなることがあるのですが、今年は関東地方を中心に、「花冷え」を通りこした寒さでした。
さくらの開花や満開のたよりが相次いでいることから、車のタイヤをスノータイヤからノーマルタイヤに変えた人も多く、混乱をもたらした寒波でした。
平成最後の寒波
札幌の10日先までの最高気温の予報は、今後10日間は周期的に寒気が南下しても平年並みまでしか下がりませんし、最低気温も13日以降は平年を下回りません(図3)。
東京の10日先までの予報では、今週は最高気温、最低気温ともに平年より低い日が続きますが、来週以降は気温が高くなります(図4)。
福岡も、東京と似た傾向があります(図5)。
平成が終わり、令和が始まるまで、あと20日を切りました。
一か月予報によると、4月下旬の気温は寒くはならないことから、今回の寒波は平成最後の寒波になりそうです。
普段とは違う東京の気温変化
天気予報では、あさって以降の最高・最低気温は該当日の最高・最低気温ですが、あすの最高気温と呼ばれるものは「翌日の日中(9時から18時)の最高気温」、あすの最低気温は「翌日の朝(0時から9時)の最低気温」です。
つまり、同じ最高気温の予報といっても、予報対象時間帯が違っています。
多くの日は、朝方に最低気温を記録した後、日中に最高気温を記録するという日変化をしますので、「あすの最高気温」と「あす日中の最高気温」は同じ値になります。
「あす朝の最低気温」と「あすの最低気温」も多くの日は同じ値です。
気象庁ホームページでは、4月10日の東京の天気予報は、「雨 明け方までくもり」で、朝の最低気温4度、日中の最高気温6度となっていましたが、実際の気温変化は図6のようになりました。
4月9日は、朝方に最低気温4.3度を観測し、日中に最高気温16.9度を観測しています。
しかし、翌10日は、「朝の最低気温5.9度」、「日中の最高気温6.5度」と、10日の「日の最低気温3.6度」、「日の最高気温10.2℃」とは大きく違っています。
「最低気温は予報4度に実況3.6度と当たったが、最高気温は予報6度に実況10度で外れた」というわけではないのです。
4月10日の日中は、気温が6度までしか上がらない、それも時間とともに気温が下がってゆく真冬の気温だったのです。
ときどき、「日中の最高気温」・「朝の最低気温」が「日の最高気温」・「日の最低気温」と違うことがあるので、注意が必要です。
タイトル画像、図2の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図3、図4、図5の出典:気象庁資料、ウェアーマップ資料をもとに著者作成。
図6の出典:気象庁資料をもとに著者作成。