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日本の大雪は3種類 現在の「里雪型」「山雪型」から三連休は「南岸低気圧型」の可能性あり #専門家のまとめ

饒村曜気象予報士
強い寒気南下を示す日本海の筋状雲とその中の帯状に連なった積乱雲(1月9日12時)

日本における大雪は、強い寒気が南下したときに日本海側の山で多くの雪が降る「山雪型」と、日本海側の平地でも多くの雪が降る「里雪型」、それに、強い寒気の南下が弱まって南岸低気圧が通過するときに太平洋側で雪が降る「南岸低気圧型」の3種類があります。

現在、今冬一番の強い寒気が南下し、北陸から北日本の日本海側を中心に、里雪型や山雪型の災害級の豪雪となっています。今週末まで強い寒気の南下が続きますので引き続き大雪に警戒してください。三連休には、強い寒気の南下が弱まりますが、今度は南岸低気圧に注意が必要です。

ココがポイント

『不要不急の外出は控えて』 大雪めぐる気象庁呼びかけ、情報番組で議論… 「ぼくは疑問に思う」「判断の基準は難しい」
出典:中日スポーツ 2025/1/9(木)

9日から10日は今季一番の寒気が流れ込む予想です。広い範囲で雪が強まり、西日本の平野部も大雪になる見込みです。
出典:Weathernews, Inc. 2025/1/9(木)

三連休は冬型が緩み低気圧が通過する見込みです。12日は上空に寒気が残るため関東の平野部でも雪の降る可能性があります。
出典:Weathernews, Inc. 2025/1/7(火)

エキスパートの補足・見解

今冬一番の寒気が南下し、北陸から北日本の日本海側を中心に「里雪型」や「山雪型」の大雪となっています。雪に不慣れな一部のドライバーによって大渋滞が発生すること等から、不要不急の外出は控えてと呼びかけられています。しかし、不要不急の判断は人によって異なり、難しいものです。個人的には、一つの目安として、「我慢しろ」と言われた時に我慢できる事態かどうかと思います。

今回の寒気南下は、西日本中心ですので、普段は雪の量が少ない所で雪が降っています。量は少ないといっても、雪に慣れていない分だけより一層の注意が必要です。

強い寒気の南下は、三連休には弱まりますが、今度は南岸低気圧が発生する可能性があります。低気圧の発達の程度によっては太平洋側でも大雪の可能性があり、最新の気象情報に注意してください。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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