今週は南岸低気圧で久しぶりの雨で始まり、週後半は西高東低の冬型の気圧が強まって今冬一番の寒気が南下
週明けの南岸低気圧通過
年末年始は、西高東低の冬型の気圧配置が続き、寒気が南下していましたが、多くの人が仕事始めの6日(月)は、冬型の気圧配置が緩んでいます。
そして、西日本の南海上で低気圧が発生し、本州南岸を東進しました。
冬の南岸低気圧というと、太平洋側の大雪を心配することが多いのですが、今回は、北海道を通過する別の低気圧があり、寒気が大きく南下することを妨げています。
また、低気圧に向かって暖気が北上したため、気温は平年並みか平年より高くなり、東北まで雨の所が多くなりました(タイトル画像)。
西・東日本の太平洋側では、昨年12月から極端な乾燥状態が続いていましたが、この雨で乾燥状態は少し解消しています。
木材の乾燥状態を示すものとして実効湿度があります。
実効湿度は、前日の実効湿度に0.7をかけ、当日の平均湿度に0.3をかけて加えた数値で、木材の乾燥状態と対応があります。
つまり、実効湿度が60パーセントを下回ると、大火になりやすいと言われています。
昨年、令和6年(2024年)11月からの東京都心の実効湿度の推移をみると、12月6日以降、実効湿度が60パーセントをきっています(図1)。
12月の降水量は0.5ミリ、初雪が降った12月19日の0.5ミリの降水がなければ、明治8年(1875年)6月の観測開始以来、約150年間で5回目の月降水量0ミリになるところでした。
ただ、このときは、実効湿度は60パーセントを回復していません。
60パーセントを回復したのは、南岸低気圧により25.0ミリの雨が降った1月6日です。
11月28日の18ミリの雨以来のまとまった雨で、日平均湿度が75パーセント、実効湿度63パーセントとなりました。
翌1月7日も実効湿度が66パーセントとなったのですが、南岸低気圧が日本の東海上に去り、オホーツク海で低気圧が発達して西高東低の冬型の気圧配置が続くことから、再び、乾燥して実効湿度が下がる見込みです。
もともと、西・東日本の太平洋側の冬は、乾燥しやすいのですが、今年は特に、大火が発生しやすい乾燥状態が続きますので、火の元には十分注意してください。
そして、今週後半の日本海側の地方は、大雪に警戒が必要です。
日本海側の大雪
1月8日9時の予想天気図によると、等圧線の間隔が混んでいるのが、近畿北部から北陸西部と北日本です(図2)。
等圧線の間隔が狭いほど風が強く、強い寒気が南下してきますので、暴風や大雪に警戒が必要なのは、近畿北部から北陸西部と、北日本ということができます。
予想降雪量は、北陸の山沿いでは200センチ(2メートル)超のところがあるなど、日本海側で多くなっています(図3)。
これは、今冬一番の寒気が南下してくるからです。
地上約1500メートルの気温は、寒気の強さの目安となっていますが、平地でも雪が降る目安のマイナス6度以下の領域は、西日本から東日本、北日本を広く覆う見込みです(図4)。
また、大雪の目安となるマイナス12度以下の領域は、西日本の日本海側から北陸西部に広がっていますので、大雪に警戒が必要です。
特に、南岸低気圧で雨が降って雪面が少し融けたあとの強い寒気の南下ですので、雪崩や落雪が発生しやすく、道路状況はかなり悪化していることが想定されます。
最新の気象情報に注意してください。
令和7年(2025年)に入り、さすがに最高気温が25度以上の夏日は観測しなくなりました(図5)。
最高気温が0度に届かない真冬日と、最低気温が0度に届かない冬日を観測している地点数は、ともに南岸低気圧の通過によって減りましたが、真冬日は9日(木)に246地点(気温を観測している914地点の約27パーセント)と今冬最多となる見込みです。
また、冬日は10日(金)に829地点(約91パーセント)と今冬最多となる見込みです。
日本列島は冬本番を迎えます。
タイトル画像、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
図2の出典:気象庁ホームページ。
図5の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。