昭和の風格を体感できる創業77年の老舗豚骨ラーメン店〈地元民を魅了し続けてきた独創的な魅力ある一杯〉
はじめて訪れた頃からすでに30年以上の歳月が経過しているのに、不定期ではあるものの、いまだに飽きることなく通い続けているお店がある。1977年(昭和52年)の創業で47年目という博多を代表する老舗の豚骨ラーメン専門店〈ラーメン住吉亭〉。福岡県福岡市博多区の博多駅南エリアの住宅が建ち並ぶ一角に存在する。提供する「ラーメン」は、昔から変わらない独特な見た目と個性ある味わいの博多の豚骨ラーメン。地元のオールドファンなら、そのラーメンの姿をひと目見ただけで、どこのラーメンかが分かるほどの個性的な一杯を提供し続けている。
豚骨丸出しの香りと濁りの少ないスープ
住吉亭のラーメンの特徴の一つはその味わいにある。豚骨感丸出しの香り豊かなスープなので濃厚な豚骨ラーメンを想像しがちだけど、実際は濁りほぼないクリアでサラサラとした一杯。昔懐かしいイニシエ感の漂う博多らしい豚骨ラーメンに仕上がっている。
大量盛のネギとキクラゲが住吉亭の象徴
もう一つの特徴はそのままの見た目。丼碗になみなみと注がれたスープの中には中細のストレート麺と大量の細切れのチャーシューが入っているものの、見えない。丼碗の表面を覆うのは大量に盛られた「ネギ」と「キクラゲ」。ひと目見ただけで〈住吉亭〉のラーメンと分かる。ほかの博多の豚骨ラーメン店とは明らかに一線を画す個性的な一杯を今も変わらず提供し続けている。
この日は、約1ヵ月ぶりの訪問で今年4回目。店先に2台停められる専用の駐車スペースがどちらも空いていたのでそこに駐車。訪れたのは13時頃。この時間帯で駐車場が空いているのはめずらしく、てっきり先客も少ないと思い込んで店内に入ると、それに反してほとんどの席が埋まっているという賑わいをみせていた。店内構成は細長い10席ほどのL字型のカウンター席と4人掛けのテーブルが1つ。カウンターに一つ空席を見つけそこに座り壁に掛かるメニューの中からどれにするかを思案。
ワンタンチャーシューメンのインパクト
ここ最近は改めて定期訪問するようになった〈住吉亭〉。以前なら「ラーメン」と「めし」の「ラーメンライス」を定番的に注文するところだけど、ここのところは別のメニューも食べてみようと心掛けていて、いろいろと迷った末に単品メニューの中から豪華版「ワンタンチャーシューメン」を注文。
ワンタン入りのため、いつもよりも待つことしばし。『おまたせしました』と配膳された「ワンタンチャーシューメン」は、見た目的にひと回り大きい丼碗が印象的。
だけど、そこに存在感のある「ワンタン」以外は、いつものネギとキクラゲの大量盛りのベーシックな一杯とあまり変わらない印象。
だけど実際に食べ始めると分かることだけど、ネギとキクラゲの下に大量の細切れの「チャーシュー」が、いつもの倍ぐらいの入り具合で食べ応えも十分。
さらに肉感のある飴入りの「ワンタン」も表面に見えるだけでなくスープの中にもゴロゴロと沈んでいるのでかなり満足度の高い逸品。
ネギとキクラゲ、チャーシューとワンタンをワシワシと夢中で制覇しながら、中細のストレート麺をひと息、休憩を入れる感じで「はさむ」と心地よくいただける一杯に。
名物の辛子高菜を味変用に投入する至福
ラーメンの味変用アイテムとして〈住吉亭〉名物の「辛子高菜」を豚骨スープに直接投入するという選択肢があり、その相性の良さを一度体感すると、もう欠かせない逸品になる。その「辛子高菜」は丼碗に入っていて、カウンターの席と席の間に等間隔で設置されている。
それを丼碗の横に設置された小皿に(残さないように)少量ずつ取り、そこからレンゲに乗せてスープや麺、チャーシューやワンタンとともにいただく。その後はスープにも混ぜ込み味変が完成する。
「めし」のお供として、ラーメンの味変として、存在感を放つ「辛子高菜」も、ぜひお楽しみいただきたいと思うと同時に、博多ラーメンの名店〈ラーメン住吉亭〉の味を、この機会にぜひご体感ください。
ラーメン住吉亭
住所 :福岡県福岡市博多区博多駅南5丁目5-1
[地図]
営業時間:11時00分~17時00分(O.S.16時50分)
定休日 :日曜日
駐車場 :専用駐車場は店前に2台あり、近隣有料駐車場あり