お酒のアテにも合いそうな「あやめ団子」鮮烈な黒糖とお醤油の濃厚なタレに手が止まらない不思議な魅力
みたらしともごまともいえぬ、力強い色合い…
先日都内アンテナショップへ足を運んだところ、なにやら見慣れない色合いのお団子が販売されておりました。
お店の方にお伺いしたところ、こちらはあやめ団子という主に富山市内の和菓子屋さんで作られている昔ながらの郷土の和菓子。なんでも、あやめが咲き始める初夏に作られることから名づけられて広まったのだとか。特徴としては、御手洗でもなく胡麻でもなく、黒糖をたっぷりと使用しているところ。なるほど、確かに梅雨があける頃には日差しも厳しくなり、汗をかいたあとはミネラル豊富な黒糖が体にとっては嬉しいかもしれませんね。
今回は、富山県射水市の和菓子屋「餅とお菓子 ほんごう」さんのあやめ団子をご紹介。
まず印象的なのが、串にささった状態ではなく、個々がタレの中に沈められた状態。串団子状のものが主流ではありますが、流通面を考慮なさったのかこちらはカップ入り。
そしてなんとも不思議な、それでいて妙に惹かれる非常に重厚感のあるとろりとしたタレ。
こちらのお店のタレは葛粉を加えているので、滑らかでつるんとした肌ざわりのお団子にも非常によくまとわりついて、お団子とタレ双方を頬張ることができます。
更に。鮮烈な黒糖の香りを更に助長するのがお醤油。
色合いだけではなく、旨味とキリリとした独特の香りを掛け合わせることにより、存在感抜群のタレに。先ほど述べたように、ぽってりとしたテクスチャーなのでたっぷりとスプーンですくって口に運びたくなりますが、なかなか濃厚なタレなのでお気をつけて。
とはいえ、個性的ゆえにどんなお餅やお団子にも合いそうなタレなので、癖になってしまうというのも事実。気づいたら、タレだけスプーンですくっている自分がおりました…。
玄人にあらずとも、タレだけでお酒のアテにできてしまいそうな気もします。
タレをからませたお団子と一言で言い切ってしまえば単純ですが、そのタレも千差万別。今回のあやめ団子のように、黒糖をどの程度使用するのか、はたまたそのテクスチャーはいかがなものか、一度お団子を炙るのかそのままなのか…郷土の和菓子の奥深さにまた一歩、踏み入れたような気がしました。
こちらは店頭販売のほか、都内では日本橋とやま館でも購入することが可能です。