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太陽系の果て「オールトの雲」は恐竜絶滅に関係している?原爆の10億倍を超える巨大隕石の威力とは

オールトの雲のイメージ図 出典 : Shutterstock

■太陽系の果て「オールトの雲」

私達の暮らす太陽系の最果ては、最も遠い冥王星であると考えられがちです。しかし、実はその3000倍も更に遠方、1.5光年までの領域で、太陽の重力の影響を受けてひしめいている微小な天体群「オールトの雲」が存在します。1兆個を超すこれらの天体は、太陽系に惑星が誕生した際に、遠方まで弾き飛ばされて取り残されたと考えられています。あまりの遠さから太陽の光がほとんど届かないため非常に暗く、これまで発見されたことはありません。

しかし、軌道が不安定な微小天体たちは、少しのバランスのずれで彗星となり、太陽系の惑星たちへ向かってくるのです。

■恐竜を絶滅させたチクシュルーブ隕石

小天体が地球に衝突したときのイメージ 出典:Wikipedia
小天体が地球に衝突したときのイメージ 出典:Wikipedia

6600万年前、恐竜や巨大な昆虫が生息している地球に、直径10kmを超える巨大隕石が時速6.4万kmという恐るべき速さで衝突しました。そして、ハーバード大学の天体物理学者の計算によると、この巨大隕石はオールトの雲から飛来したと予想されているのです。

この隕石は広島に投下された原爆の10億倍を超える規模の爆発を起こし、地球ではマグニチュード11を超える地震が発生したと言われています。生じた津波の高さは300メートルを超え、メキシコ・ユカタン半島には、直径約160kmのクレーターが形成されました。

巻き上げられた大量の塵によって太陽からの光が遮断され、地球には長い冬が訪れました。植物は枯れ果て食料は尽き、恐竜はほぼ絶滅、80%の生物が絶滅してしまいました。しかし、それまで恐竜に怯えていた小さな哺乳類、つまり私たちの祖先は、大災害の中で有利に生存し進化することができたのです。

私たちが生きている間に、オールトの雲から新たな天体が地球へ降って来ないことを祈るばかりですね。

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