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【名古屋市千種区】市民憩いの場に隠された歴史。「千種公園」に2枚のコンクリート壁がある理由とは?

土庄雄平愛知深掘りライター(名古屋市)

名古屋市営地下鉄・今池駅/池下駅から徒歩10〜15分の場所に位置する「千種公園」。近隣の公園の中でひときわ遊具が多く、大きな砂場や児童球技場もあり、お休みの日には家族連れで賑わう都市公園です。

そんな活気に溢れる公園ですが、その風景のは到底結びつくようには思えない、この公園のバッググラウンドを物語る史跡が公園内に配置されています。

それが「陸軍兵廠(へいしょう)コンクリート壁」です。遊具のエリアから近い場所にふと現れます。

勘の良い人であれば、字を見たときに気がつくでしょう。そう、こちらは戦争遺構です。実は千種公園はかつて第二次世界大戦の際に武器を作っていた「名古屋陸軍造兵廠千種製造所」の跡地に作られました。

当時、全国で行われた空襲では、こうした軍の拠点が狙われたのですが、名古屋陸軍造兵廠千種製造所も例外ではありませんでした。幾度の空襲により69名の方が亡くなったと伝えられています。

このコンクリート壁は空襲を受けた痕を物語るものです。戦争の歴史を繰り返さないために、いかに悲惨なことが起こったか、後世に語り継ぐために、このコンクリート壁は公園に置かれています。

小さい穴ですが、硬いコンクリートを突き破る爆撃を受けた時、どうなるかは想像に難くないでしょう。今再び、国際情勢は不安な状況にありますが、この戦争遺構を見て、決して他人事として感じてはいけないと感じました。

第二次世界大戦からもうすぐ80年ですが、逆に言えば80年しか経過していないのです。日本史では紀元前から歴史を習いますが、その始まりから考えれば、第二次世界大戦も最近の出来事ではないでしょうか。

筆者は20代で戦争の時代を経験していませんが、今後生きて行く中で、自分も自分の家族にも悲惨な経験は絶対にしてほしくないと思います。綺麗事ではなく切実な思いです。今の国際情勢を見ていると、舵の取り方次第では、また再びその歴史を辿ってしまう危険性もあると感じています。

少々熱くなってしまいましたが、とにもかくにも、日々起きる大きなことであっても自分事と自覚して暮らすことが大切だと、再認識させられた気がします。

それが千種公園の碑文に刻まれているように「ここに涙あり されど平和は永遠に」につながると信じています。私たち若い世代の方こそこうした歴史に触れて、何十年後さらに次の世代に平和な状況でバトンタッチしていきたいですね。

<陸軍兵廠(へいしょう)コンクリート壁/千種公園>
住所:愛知県名古屋市千種区仲田1丁目1-6
アクセス:名古屋市営地下鉄・今池駅から徒歩約12分、池下駅から徒歩約14分

愛知深掘りライター(名古屋市)

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、愛知へUターンをして、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。美味しい地元グルメを探しながら、名古屋市内の色彩豊かな自然を愛でるのがルーチン。 ※12月18日からLINEにて土庄雄平「名古屋深掘りチャンネル」配信スタート!毎週月曜日の10時にお届けします。名古屋のグルメから週末おでかけ情報、ディープなスポットまで盛りだくさん。ぜひ登録してくださいね♪(記事内のリンクは、Yahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています。)

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