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可愛すぎる大人気の上生菓子がお取り寄せ可能!名店「塩野」さんの十五夜に一押し和菓子はお洒落なうさぎ

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

暑さが落ち着いてきたと思いきや、なにかと和菓子の世界は慌ただしい9月。9日は重陽の節句、17日は十五夜、19日からは秋のお彼岸、そして23日は敬老の日と、和菓子屋さんは大忙し!ほぼほぼ週替わりで節目やイベントがあるのでお菓子をいただく側としては、ありがたい気持ちと尊敬の念でいっぱいです。

(手前)喜久兎・(奥)月のしずく
(手前)喜久兎・(奥)月のしずく

さて、きたる十五夜。多くの和菓子屋さんにはうさぎの意匠を用いた上生菓子が登場するのですが、赤坂の街の一角に佇む人気の和菓子屋「塩野」さんにはこの時期非常に人気の高い季節限定の上生菓子が登場するのです。

今回は「喜久兎(きくうさぎ)」と「月のしずく」をご紹介。

喜久兎
喜久兎

目に入れても痛くない可愛さとはこのことではないでしょうか。どこか現代風の愛らしさとキャラクター性、それでいて上品な佇まいの練り切り「喜久兎」。

頭にのせている花は菊の花。と申しますのも、こちらは9月から販売され、そのおめでたい菓銘にあわせて重陽の節句にも非常に喜ばれるのだとか。つぶらでうるうるとした羊羹性の目と目が合うと、視線を逸らせなくなってしまうのは私だけでしょうか。

羊羹性の葉っぱも細かい…!
羊羹性の葉っぱも細かい…!

滑らかな練り切り餡には手亡豆や白小豆、そして佃芋をあわせ、あっさりとしていながらも芋の風味が心地よい仕上がりに。中餡は黄身餡。そうです、お月見商戦では様々な企業が用いる卵の黄身がこちらにも。

垂れた耳、金色の尻尾、お尻には秋のススキが
垂れた耳、金色の尻尾、お尻には秋のススキが

鮮やかな山吹色の黄身餡は非常にまろやかで、卵黄のコクが口の中いっぱいに広がりつつしっかりと練り切り餡調和がとれており、双方の味わいと個性が均一に絡み合う余韻に心奪われることでしょう。卵黄ではあるものの、洋菓子というわけではないところが流石です。

月のしずく
月のしずく

そしてもうひとつ。「月のしずく」はちょっと珍しい半錦玉製。半錦玉というのは、半分寒天菓子の錦玉で半分は羊羹となっており、今回は小豆こし餡の羊羹とあわせたもの。水羊羹よりもあっさりとしていて透明感があり、豊潤な水分を湛えたお菓子を両手で掬うことが叶うなら指の隙間から甘美な滴がこぼれ落ちそうです。

葡萄のように上品な藤色は小豆こし餡の色
葡萄のように上品な藤色は小豆こし餡の色

霞がかった満月を夜空から切り取ったような断面
霞がかった満月を夜空から切り取ったような断面

穏やかなこし餡の甘さ、そして中に閉じ込められた皮や種を丁寧に取り除いたマスカットの甘露煮の繊細な口溶けの喉越しは今の季節にぴったり。

塩野さんの上生菓子はクール便でのお取り寄せも可能となっており、遠方の方でも赤坂の名店の味を楽しむことができるのが嬉しいですね。

しっかり掛け紙で包装してくださるところも赤坂らしい心遣い
しっかり掛け紙で包装してくださるところも赤坂らしい心遣い

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<御菓子司 塩野>
公式サイト(外部リンク)
東京都港区赤坂2-13-2
03-3582-1881
10時~18時(土曜・祝日は17時迄)
定休日 日曜

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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