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山本ドジャース移籍に韓国も衝撃… 現地メディア「来年3月のMLBソウル開幕戦は日本人観客で埋まる」

東京五輪の韓国戦に登板時の山本由伸(写真:ロイター/アフロ)

「『ニューヨークの完敗』 山本由伸の12年3億2500万ドルのドジャース移籍 なぜ衝撃的か」

そんな記事が韓国最大ポータルサイト「NAVER」のスポーツ欄のトップを飾った。23日午前のことだ。現地メディア「ファイナンシャルニュース」が伝えた記事が「その時間帯のスポーツニュースで韓国読者が最も見るべきもの」と評価されたのだ。

記事はオリックス・バファローズからLAドジャースへの移籍を決めた山本由伸の移籍を「衝撃」として報じるもので、具体的には以下の点を挙げている。

「前例のない巨額の5000万ドルの契約金」

「12年契約に2つのオプトアウトも含む」

「支払い猶予なしに3億2500万ドル」

「オリックスに支払うべき金額は5062万5000ドル」

「ゲリット・コールを上回る米国ピッチャーFAの史上最高額」

「山本はまだ米国の舞台で1球も投げていない」

さらに記事では「大谷(翔平)と山本が同じチームでプレイする。スーパーチームの誕生」「ニューヨーク・メッツも同等の条件だったが敗れた」と紹介している。

来年3月の韓国開催公式戦 どうなる?

そうなると、気になるのが来年3月のことだ。

「MLB WORLD TOUR SEOUL SERIES 2024 powered by courpang play」

2024年のドジャース開幕戦の地はソウル・ゴチョクスカイドーム――。

3月20日と21日に同地で行われるのだ。

Courpang play
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大きく「大谷翔平」vs「キム・ハソン(パドレス所属の韓国人メジャーリーガー)」を打ち出したポスターとなっているが… 

一気に「日本選手祭り」の様相も呈してきた。

「スポーツソウル」が22日午後にこう報じている。

「韓国が育てた『スター』キム・ハソン(28歳・サンディエゴ・パドレス)のための「2024年MLソウル開幕シリーズ」だと思われていたが、冬の移籍市場で逆転した。ソウルのゴチョクスカイドームが日本の観客で満杯になる見通しだ」

さらに山本のドジャース加入を踏まえ、こうも論じた。

「既にサンディエゴに日本を代表するピッチャーのダルビッシュ有(37歳)がいるため、大谷のドジャース移籍のニュースが伝わった時点で、日本でもソウル開幕戦に対する関心が大きくなっていた。ここに山本まで加われば、日本から多くの野球ファンがこの三人のスーパースターを一堂に見ることができるソウルのゴチョクスカイドームに押し寄せる見込みだ」

そして同紙が気にかけたのが、キム・ハソンの動向だ。

「ここにキム・ハソンのトレード説が絶えず、彼のいないソウル開幕戦になる可能性もある。様々な面で韓国の観客よりも日本の観客が多くなる可能性が高まっている」

本当にそうなるのか…。韓国としてはあまりよい話ではない。

この「メジャーリーグの試合開催」、韓国としては念願というべきもの。

2022年10月には一度「100年ぶりの韓国での試合開催」として親善試合が組まれていたが、MLB側が「イベントプロモーターとの契約上の問題」を理由に2週間前に突然中止をリリースした経緯もある。

さらにいうと尹錫悦大統領は任期中に大型スポーツイベントがないことが不満要素とされてきた。そういったなかで、サッカー界ではKFA(大韓サッカー協会)が来年1月のサッカー・アジアカップの誘致戦でカタールに競り負けた。これが「大統領側の逆鱗に触れた」ともされるなかで、メジャー開幕は「超目玉イベント」となる。

もう一つ言うと、近年韓国のプロスポーツ全体が女性ファンの急増により軒並み観客動員アップの流れにあるなかにあって、まさかの「日本人の超大目玉選手が集う」場にもなった…しかし、元韓国有力スポーツ紙デスクで、現韓国野球学会理事のチェ・ミンギュ氏は「ネガティブな話ばかりではない」と言う。

「山本の加入は3月の韓国開催にとっていいことだと思います。今回のMLBの開幕戦韓国開催、そもそもはMLB側からのオファーがあったものなのです。だから主催側が『日本人選手が増える』と頭を悩ませるものでもありません。山本の加入のせいでイベントの収益が減る、ということもありませんしね」

チェ氏は続ける。

「結局中止となった2022年の親善試合開催は韓国側からのオファーでした。当時は韓国内でも『チケット代が高すぎる』という話が多く出ましたが、今回は少し安く設定されています。周囲では『100万ウォン(10万円)でも行きたい』という人がいますよ。なぜか。大谷翔平がいまや最高のメジャーリーガーであり、韓国で史上最も愛される日本人アスリートであるからです。そこに山本が加わる。彼は「躍進する日本野球の象徴」として「韓国ファンも見たいもの」となっています。サッカーとは違い、韓国では『日本が韓国より一枚上手』と見る視線もありますからね」

韓国では様々な視点が入り交じる。来年3月の実際の雰囲気はどうなるだろうか。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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