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優勝に足りなかったものとは。ベガルタ仙台レディースの今季を振り返る(選手コメント編)

松原渓スポーツジャーナリスト
入団1年目で試合に出続けた市瀬(C)松原渓

なでしこリーグ最終節。

AC長野パルセイロ・レディースのホームに乗り込んだベガルタ仙台レディースは、1−2で敗れ、シーズンを4位の成績で終えた。

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試合後の選手の言葉から、この試合と、2016シーズンを振り返る。

【試合後の監督・選手コメント】

★MF嘉数飛鳥(キャプテン)

ーー優勝を目指していたシーズンですが、目標が重圧になっていた部分もあるのでしょうか?

いいえ、目標は高く持たなければいけないと思います。去年は良い成績(2位)で終われたので、今年はそれ以上の成績を求められるのは当然です。そのプレッシャーはあったと思いますが、今後はメンタルも強くしていかなければいけないですね。

ーーホームで強く、アウェイで勝てなかった原因はありますか?

相手の勢いに飲まれる時間帯が多く、入り方が悪い試合が多かったですね。特に、最初の15分間で失点しているゲームは負けている試合が多いので、メンタル面もあるのかな、と。でも、みんなで声を出して、15分間をまず耐えよう、と意識してやってきました。ベレーザ戦はそれができた試合でした。長野はすごく勢いがあるチームなので、それに飲まれないようにしようと入ったんですが、今日の試合では跳ね返せませんでした。

ーーシーズンを通してチームが成長した部分、個々で成長した部分は?

みんなで、前から(守備に)行こうというサッカーを目指していたので、全員が動けていたのは良かったですね。個々でもFWの浜田とか井上など、若い選手は、自分でボールを持っていくという意識が強くなっていると思います。

ーー来季、優勝を目指す上でどんなことが課題ですか?

メンタル面や個々の強化も大切ですが、チームとして全員攻撃、全員守備がもっとできるようにしたいですね。今年は誰が出てもできる選手層の厚さがありましたが、内容としては、チームとしても個人としても波がありました。今日対戦した長野は得点力がすごく高いし、私たちも成長していきたいです。

ーー皇后杯に向けて

下を向いていても始まらないので、皇后杯はタイトルを狙うつもりで切り替えます。目標としていた優勝もできず、3位以内にも入れなかった悔しさを晴らしたいと思います。

★DF佐々木繭

ーー最終節でしたが、振り返っていかがですか。

後半の立ち上がりでバタバタしてしまったので、もっと落ち着ければよかったです。縦に速い攻撃を第一に考えていますが、つなげるところはつなぎたいので、状況判断を上げていきたいです。長野は勢いがあって、決めるところでしっかり決める力があるので、そこは見習わなければいけないですね。皇后杯がすぐに始まるので、しっかり気持ちを切り替えて、1段階レベルアップした状態で臨みたいです。

ーーゴールのシーンはアウェイでも会場が湧きました。

相手の選手が食いついてきたので、切り返すところまではイメージ通りでした。それからは、クロスの選択肢もあったんですが、なんとなく流れで打ちました。前節決めたゴールと同じような角度で、体勢も良かったですし、ニアに決められるイメージがありました。今まで数字で結果を出せていなかった分、2試合連続でゴールを決められたことは自信になりました。

ーー優勝に届かなかった理由はなんだと思いますか?

あと一歩足を出せていれば、というところだったり、自陣でのミスから失点が多かったのは反省点ですね。

ーー今シーズンを振り返って、成長できた部分は?

試合に出たり出られなかったりということが続いたのですが、そういう時でもしっかりと自分のプレーを見つめて、自分のできないことを克服しようという取り組みを継続できたことでしょうか。

ーーいろいろなポジションができる強みがありますが、サイドバックとしてここだけは負けない、というプレーの確信は持てましたか。

確信まではいきませんが、昨年よりは、全体的に守備面でやられないようになったし、良い形での攻撃参加ができるようになったかなと思います。

ーーチームとしては川村選手に頼りすぎてしまっている部分もあったのでしょうか。

本当に頼りになる存在ですが、頼ってばかりでは優勝を目指すチームとしてはまだまだだと思いますし、一人一人がもっと自覚を持ってやっていかなければいけないです。

ーー日本代表にも選ばれて、技術的な面での成長はいかがですか。

技術的なものはまだまだです。結果を出せたことは少し自信になりましたが、体の強さも身につけていきたいと思います。

★DF市瀬菜々

ーー試合を振り返って

負けたことはすごく悔しいし、3位になれなかったことも悔しいです。

ーー今シーズン、トップリーグでコンスタントに試合に出て、どのような収穫がありましたか。

高校(常盤木学園)時代は、チャレンジリーグでプレーしていたのですが、一番の違いは、スタジアムの雰囲気ですね。指示の声が簡単に届かない中で、コミュニケーションを取ることには、なかなか馴染めませんでした。

ーーポジショニングについて。1部でやることで、変化したことはありますか?

今日の長野のような相手だと特に感じるんですが、裏に抜ける動きが上手かったり、1対1でフリーにさせたら危ない選手が多いです。今日もそこは意識して臨みました。

ーーU-20日本女子代表でもセンターバックとしてプレーしていますが、トップリーグで違いを感じるのはどんなところでしょうか?

U-20でやる時は海外の選手が多く、動きがはっきりしているので戦いやすいんです。でも日本の選手は、裏に抜けるふりをして足元とか、駆け引きが上手なので、その点は難しさがありますね。高校時代は攻撃的なボランチだったので、センターバックのポジションでは、ビルドアップの面でボランチ時代の経験をいかしたいと思っています。

ーー逆に、守備面で強化したいところは。

まだ裏を取られることがあるので、オフサイドトラップをかけるのか、ついていくのか、ポジショニングで駆け引きする力を高めていきたいです。

★GKブリトニー・キャメロン

ーー今シーズンを振り返っていかがでしたか?

不運なことに今日は負けてしまいましたが、私はこのチームで、とても良い時間が過ごせました。来年はどうなるか、私にも分からないですが(笑)。

ーー過去2年間はシーズン途中からの加入でしたが、今年は一年を通じて仙台でプレーしました。何が違いましたか?

今年は1年間チームと一緒に行動したことで、チームメートのことや、チームがどのようにプレーするかをよく理解できました。お互いを知るという意味で、6ヶ月と1年間は大きな違いがあったと思います。

ーー他のチームにも知り合いがたくさんいますね。日本の言葉や、文化には慣れましたか?

日本ではたくさんの友人が助けてくれています。これまでに何人かの選手がアメリカでプレーして、英語を話せますし、たくさん友人ができて嬉しいです。日本語は勉強中です!日本食は健康的で大好きですよ。

ーーなぜ、あなたのキックはそんなに飛ぶのですか?

(日本語で)筋肉があるからです!(笑)。

もちろん、ウェイトトレーニングもしているんですけれど。

ーー皇后杯はプレーしますか?

もちろんです。今日は負けてしまって、幾つかのことを変えなければいけませんが、勝てるように頑張ります。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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