韓国で「日本のあの選手イケメン」がSNSトレンド入り 日韓戦真っ最中に=アジア大会
7日に行われたアジアカップ男子サッカー決勝の日韓戦。結果は既知の通り、日本は1-2で敗れ、金メダルを韓国に譲った。
韓国の立場からすると、強いプレッシャーのかかった試合だった。自国選手の有望株19人の兵役免除がかかっており、かつ大学生も多く含まれる日本に負ければ強烈な批判を浴びる状況だった。
一方で韓国のファンは今回、日本との対戦を少し楽観視していたようだ。試合開始前、X(旧Twitter)のトレンド(韓国語)であるキーワードがトレンドとなった。
「日本の10番」
2万4000を超える関連投稿があり、翌日もそれが増えている。なかなかの関心度だ。
何を意味しているかというと…背番号10を背負い攻撃的MFとして先発出場した西川潤(サガン鳥栖)に対して、試合中継を観ていた韓国側から「イケメン」「かっこいい」という声が次々と上がったのだ。
西川は2002年生まれで神奈川県川崎市出身。中高時代から大きな注目を集め、桐光学園卒業後、2019年にセレッソ大阪に入団。2021年からサガン鳥栖に期限移籍中だ。代表歴としては、AFC U-16選手権やFIFA U-17ワールドカップに出場。2023年にはU-22日本代表に選出された。
「ちょっと待って、タイプなんだけど」
始まりはキックオフ前の国歌斉唱時、顔がアップで抜かれた時だった。
「日本の10番、かなりカッコいい」
プロフィールを見る限り、若いコアな男性Kリーグファンと思しきアカウントからだった。
するとすぐに35人ほどのユーザーが飛びついた。アイコン写真を見る限り、女性ファンたちだ。
「サッカーの日本の10番って誰?」
「さっき中継に映った日本の10番? なんだ? めっちゃカッコいい」
「日本の10番…やっぱりみんな誰かって聞いてる。もちろん私も」
「いやいや日本の10番、アレ何? 顔が崇高だ」
「日本の10番、なんであんなにカッコいいの?」
確かに西川のような、甘くて優しそうな顔立ちは「日本的なイケメン」とされる。しばらく「絶賛の嵐」が続いた後、少し雰囲気を諫めるような投稿が入った。
「日本の10番、イケメンだね。でも、やっぱり韓日戦だから…」
「先制ゴールを許してんだぞ」(これは男性ユーザーと思われる)
「日本の10番なんて関係ない。勝敗にだけ関心がある。先制されてちょっと慌ててるから」
「日韓戦の途中になんで?」
それでもしばらく「カッコいい」「私のタイプなんだけど」といった投稿が続いた。Jリーグ鳥栖での西川のプロフィール写真、テレビ画面のキャプチャなどなどが添付されたりもした。さらには「安貞桓の若い頃の方がカッコいい」「韓国にはチョ・キュソン(カタールW杯ガーナ戦で2ゴール)がいるのになぜ?」といった比較も飛び出し、大いなる盛り上がりを見せた。
なぜこんなことが起きる? 韓国大手スポーツ紙の元デスクが言う。
「自らも兵役を経験した男性ファンが『選手たちの運命』に強い緊張感をもって観戦していたのに対し、女性ファンたちの感じ方は違ったのでしょう。確かに西川の顔は韓国人女性からすると『日本のアニメの世界のよう』と感じられるのは分からなくもありません。また最近、韓国のZ世代には『ロマン』というトレンドキーワードがあります。ふと見つけた相手のイケメン選手にハマる。そういった傾向もあるでしょうね」
かの三浦知良は「実力がスゴすぎて韓国ファンに恨まれた」ものだ。「ミウラ」の音が韓国語の「憎いね」の「ミウォラ」に似ているため、「ミウラ、ミウォラ」は90年代後半の韓国サッカー界での決まり文句だった。また代表チームでカズをマークしたストッパー崔英一氏は「ミウラの影」と呼ばれるほどだった。
言うまでもない。日本代表たるもの、韓国から怖くて、憎くて、嫌だと思われるくらいがちょうどよい。その結果リスペクトされるなら、なおよい。
7日のアジア大会決勝、もっと日本が韓国の脅威となっていれば反応も違ったはず。相手が最精鋭メンバーを揃えていた、という話は関係ない。同じ代表選手として決勝のピッチに立ったのだ。今後のキャリアで必ずやこの敗戦の挽回を。これまた国際大会の洗礼だ。