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【リオ】五輪とパラリンピック両方に出場するアスリートたち

荒木美晴フリーランスライター
リオオリンピックに出場している隻腕の卓球選手ナタリア・パルティカ(ポーランド)(写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ)

卓球からパルティカ&タッパーが、オリ・パラ両方出場!

リオオリンピックの卓球女子団体1回戦で、日本と対戦したポーランド。テレビで観戦していた人の多くが、ダブルスで福原・伊藤ペアと対戦した相手のひとりが隻腕の選手だったことに気が付いただろう。

実況のなかでも触れられていたが、彼女、ナタリア・パルティカは生まれつき右ひじから先がないハンディを持つ。だが、「私はみんなと同じ選手」と話すように、アスリートとして努力を重ね、北京、ロンドン大会に続き、今回のリオオリンピックでもポーランド代表として大舞台に立った。

もっとも、パラリンピック(クラス10)ではアテネ、北京、ロンドンと3連覇中の絶対的女王だ。7歳で卓球を始め、11歳でシドニー大会に初出場。リオは27歳にして5度目のパラリンピックとなる。

実はもうひとり、同じ卓球でオリンピックとパラリンピックの両方に出場している選手がいる。それが、オーストラリアのメリッサ・タッパー、26歳だ。彼女は右腕に麻痺などが起こる腕神経叢損傷という障がいがあり、パルティカと同じ障がいクラスだ。小学生で卓球を始めてから健常者の大会で優勝するなど実力を発揮。今回のリオオリンピックの女子シングルスでは惜しくも予選で敗退しているが、パラリンピックではパルティカのライバルになる選手。1か月後のふたりの直接対決が楽しみだ。

オリンピックイラン選手団の旗手は車いすのアーチェリー選手!

また、他にもイランの車いすのアーチェリー選手であるザハラ・ネマティがオリンピック・パラリンピック両方に出場。前回のロンドンパラリンピックでイラン女子として初の金メダルを獲得。今回はオリンピック代表にも名を連ねており、開会式では車いすに乗ってイラン選手団の旗手を務めている。

オリンピックとパラリンピック。このふたつの大舞台で戦うパラアスリートの存在は、障がいを持つ選手に大きな刺激を与えるだろう。

また過去の夏季大会には、陸上で両足義足のオスカー・ピストリウス(南アフリカ)、同じく陸上で視覚障がいのマーラ・ランヤン(アメリカ)、水泳で左ひざ下切断のナタリー・デュトワ(南アフリカ)らがオリンピック・パラリンピックの両方に出場している。

フリーランスライター

1998年長野パラリンピックでアイススレッジホッケーを観戦。その迫力とパワーに圧倒され、スポーツとしての障がい者スポーツのトリコに。この世界の魅力を伝えるべく、OLからライターへ転身し、障がい者スポーツの現場に通う日々を送る。国内外における障がい者スポーツの認知度向上と発展を願い、2008年に障がい者スポーツ専門サイト「MA SPORTS」を設立。『Sportsnavi』『web Sportiva』などスポーツ系メディアにも寄稿している。パラリンピックは2000年のシドニー、ソルトレークシティ、アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオ大会を取材。MA SPORTS代表。

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