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【抜毛症】その原因と対処法(治し方)を、現役プロ心理カウンセラーがお教えいたします。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、抜毛症についてお話したいと思います。

抜毛症とは、自分で自分の体毛を抜く癖がやめられない…という心の病です。
主には頭髪なのですが、中には、眉毛やまつげやすね毛を引き抜く人もいます。

有病率は、1%前後、100人に1人ぐらい…と言われています。そう聞くと、決して少なくはない数ですね。早い人は10歳前後から表れ、男女比は子どもでは1対1、成人では1対4で女性が多いと言われてています。
原因はハッキリしていませんが、毛を抜く直前に緊張や不安や怒りなどの感情を抱き、毛を抜くという行為によって、それらが和らいだり、快感にも似た思いを抱く…と考えられています。

抜毛症の人は、自己肯定感が低いことが多いです。抜毛症だから自己肯定感が低くなったのか、自己肯定感が低いから抜毛症になったのか、おそらく両方でしょう。
抜毛症の人の多くは、無意識で毛を抜いているのですが、中には「抜いてやろう」と思って抜いている人もいらっしゃいます。

「何で、そんなことをするのか?」

それは、毛を抜くと、一瞬、モヤモヤ気分が晴れ、スッキリするからです。
ここで重要なのは、一瞬ということです。
多くの人は、あとから、「馬鹿なことをしたなぁ」と自己嫌悪に陥ります。

抜毛症という心の病を抱えている人は、「自分はおかしな癖を持っている」ぐらいの認識しか持っていないことが多いです。誰にも相談しないことがほとんどです。よって、親しい友人や家族でさえ、自分の身近にいる人が抜毛症であることに気付いてないことは珍しくありません。

次に、抜毛症の治し方ですが、
基本は、心を整え、環境を整え、脳を整えることです。

具体的には、
1.自分は抜毛症であることをしっかり認めること。
2.どんな時に抜きたくなるのか?
  何がきっかけで抜毛という行為に及ぶのか? しっかり把握すること。
3.ストレスとなるストレッサーを自覚し、ストレッサーから離れること。
4.頭髪を抜く癖がある人は、丸坊主にしてしまうことも検討すること。
5.抜毛行為に代わる行為を見つけること。
  例えば、拳を握るとか、お尻の下に手を入れるとか、肩を叩くとか、いろいろです。
6.睡眠をしっかり取ること。
7.身体に良い物を食べ、身体に良くない物を食べないようにすること。
8.適度な運動習慣を持つこと。
9.クリニックへ行ってお薬をもらい服用することも検討すること。
  お薬は、根本的な解決には至りませんが、少しは必ず効きます。
以上です。

たった今、私は「抜毛症の治し方」についてお話しましたが、正直、治すのは簡単ではありません。ひとりで頑張って、治せなかったからといって、どうぞ落ち込まないようにして下さい。

私は、「抜毛症は、強迫症状であり依存症である」と思っています。本人の意志や根性で簡単に治るものではありません。恥ずかしがらず、お早めに、専門家の許を訪ねることをおススメしたいと思います。
ここで言う専門家とは、精神医学と性格心理学に詳しい、薬物にも造詣が深い心理カウンセラーのことです。頭髪カウンセラーのことではありませんので、どうぞお間違えのないようにお願いいたします。

ちなみに私(竹内成彦)は、抜毛症のクライアントに対しては、習慣逆転法や条件反射制御法を用いて、カウンセリングを行っています。多くのクライアントは、数カ月で寛解に向かいます。

というわけで、今日は、抜毛症についてお話させていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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