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日本代表制した南アフリカ代表。会見終了間際に放った「一言」は何?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
モールは強力だった。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表は10月20日、東京スタジアムで4年に1度のワールドカップ(W杯)の日本大会で初の決勝トーナメントに挑み3-26で敗戦。勝った南アフリカ代表は何を思ったか。試合後のラシー・エラスムス監督の会見談話を振り返る。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「準決勝に進めて嬉しい。日本代表は予選プールでアイルランド代表、スコットランド代表に勝ってすごく勢いがついていて、(ホームとあって)応援も受ける。タフな試合になると思っていました。ハーフタイムのロッカールームも、静かでした。本当に緊張していた(5-3とわずか2点リード)。ただ、我々はチームとして17週間一緒にいたので、そこから抜け出す方法も知っていた」

――ハーフタイムには怒鳴るなどしたのか。

「タックルのミスがあったり、努力が足りないと思ったりすれば、通常は厳しいことを言う。ただしパスが失敗したなどのミスがあれば、自信を取り戻すことを言ったほうがいい。前半は我々に何かが足りなかったというよりも、日本代表が集中し、粘り強く私たちに向かっていたのです。だから私、そんな厳しいことは言わなかったですよ。選手たちを落ち着かせ、戦術を実行しようと思いました。今回は選手たちが仲間同士で話したのがいい。私が何か言ったわけではない」

――ゲームプランは。

「詳細は話さないが、フィットネスの高い選手です。誰も彼もが速く動くのが日本代表。それに対し、私たちをマッチさせようと思いました。フォワードが非常にきつくなるとわかっていたので、控えのフォワードは6人に。後半の早いうちからフレッシュレッグを入れるようにした。スクラム、ブレイクダウンに力を入れるのが大事でした。相手のスピードには(先発バックスで)対処できると思いました。

 彼ら(控えのフォワード)は我々が求めていたことをやってくれた。防御ではフェラーリ(松島、福岡堅樹といった日本代表の快速ウイング)の走るスぺースを埋めてくれた。フェラーリはそれまでの試合ではトライをしていたからね。幅を設けて止められた。またモール、スクラム、ブレイクダウンをよくしてもらいたいと思っていたところ、それに応えてくれた」

――一部で、日本代表がラグビーチャンピオンシップ(南半球最高峰の対抗戦)に参戦すべきと報じられています。歓迎しますか。

「そうしたディスカッションに私は参加していないから何も言えないが、いい提案で、いい議論が生まれると思います。日本のラグビーのスタイルは興味深いですから。もちろん実現に至るまでは様々な質問、解決すべき事案、問題点が出る。渡航の問題を含め、財政面で可能なのか、ということです。ただし、いい提案だとは思います」

――次は10月27日、神奈川・横浜国際総合競技場でウェールズ代表とぶつかる。

「彼らとは過去にも試合をしたが、選びたいと思った選手を選べなかった時もありました。今回は違います。ただ彼らは明らかにチームとしてXファクターを持っている。チームスピリットもいいしどのポジションも層が厚い。私はウェールズのチームで4か月コーチングしたこともあり、その知識がある程度は有利に働くかもしれませんが、甘い相手ではない」

 会見終了時、エラスムス監督は「最後に一言」と自らマイクを取り「日本は素晴らしかった。我々は本当に、ハーフタイムまでは緊張していました」とした。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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