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2017年のなでしこリーグで躍進するのはどのチームか?ー岡山湯郷ベル(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
美しい天然芝を備える本拠地・美作ラグビー・サッカー場(写真:アフロスポーツ)

2月15日(水)〜19日(日)まで、千葉県内で、なでしこリーグ1部と2部、韓国のクラブ1チームの計9チームによる千葉交流戦が開催された。

3月26日のなでしこリーグ開幕に向け、各チームがどのような仕上がりを見せているのか取材した。

2017年のなでしこリーグで躍進するのはどのチームか?ー岡山湯郷ベル(1)

以下、千葉交流戦での監督・選手コメント。

監督・選手コメント

亘崇詞(わたり・たかし)監督

マイナビベガルタ仙台レディース(△1-1)戦後(2月18日/ゼットエーオリプリスタジアム)

ーー監督に就任されて、このチームにどのような可能性を感じていらっしゃいますか?

長野(パルセイロ・レディース)に次ぐ、なでしこリーグで観客が見に来てくれるチームだと感じています。(女子)サッカー文化を作るためには、いいチームだと思います。サッカーの面では、「こういうサッカーをしたい」ということではなくて、ここにいる選手たちでどういうサッカーをやっていくかを考えています。一時期は(残る選手が)4人ぐらいになりそうだった中で、これだけの選手が来てくれました。他に行くチームがなかったり、戦力外になった選手もいます。それぞれの選手が特徴を出す中で、それを一つにまとめられたらいいなと考えています。

ーーなでしこリーグのチームや中国のチームなど、国内外の女子チームで指導をされて来ましたが、女子チームの指導においてはどのようなことが大切だと考えていますか?

(日本)女子サッカーは、オリンピックやワールドカップでもメダルを取れる可能性のある競技だと思うんです。それを、クラブレベルから追求することが大切だと考えています。(昨年のオリンピックに出られず、)少し女子サッカーが下火になりましたけれど、そういう(世界で上位を狙える)カテゴリーだということを認識して、大事にしていきたいですね。

(湯郷ベルでは)練習や練習試合でも、多くの方が練習を見に来てくれて、すごく温かい雰囲気なんですよ。それは、これまでのチームではなかったことなので、びっくりしています。その中で、男子のクラブも真似するようなサッカー文化を作れたらいいな、ということが一つの目標です。

サッカーの面では、たとえば、日本は中国と比べてキック力や走力が劣る選手も多いですが、だからこそできる、男子も真似できないような細かさとか丁寧さが魅力だと思います。

ーー現時点で、チームに徹底している決まりごとはありますか?

上手い選手がいるわけではないので、「常に全力を尽くそう」と伝えています。全力ですべてのプレーをやることが良い結果につながるし、チームの信用回復にもつながっていくと思います。

ーー今シーズンの目標を教えていただけますか?

もちろん昇格したいですけれど、信用を取り戻すことが、今は一番の目標ですね。まずは全員が、全力を出して頑張るチームを作って、ファンの人が『もう一回応援したいな』と思えるようなチームになりたいです。宮間(あや)選手や福元(美穂)選手のように名前が知られていない選手でも、みんなが名前を覚えて、2週間に1回は、「あのホームグラウンドに足を運ぼうかな」という思いが芽生えるようなチームにしたいですね。

MF 浅野未希

マイナビベガルタ仙台レディース(△1-1)戦後

ーーメンバーが大きく変化した中で、今シーズンのチームの雰囲気はいかがですか?

個人としても、チームとしても、1からのスタートだと感じながら取り組んでいます。今回の(千葉交流戦の)合宿も貴重な機会ですし、リーグ開幕まで時間がない中で、練習から少しずつコンビネーションを合わせています。

個々ではレベルの高い選手がいるので、そういう選手と、初めてリーグを経験する選手がもっとコミュニケーションを深められれば、良いチームになっていくのではないかと思います。

ーー亘新監督のもとで、どのようなことを重点的に取り組んでいますか?

昨日の試合(ノジマステラ神奈川相模原戦●0-5)で、一歩の寄せが甘かったり、そういう球際のところで、もっと厳しくチャレンジしていこうということを今日の試合(仙台戦△2-2)のテーマにして臨みましたが、しっかりと実践できていたと思います。

ーー個人的には、今シーズンはどのようなプレーを磨いていきたいですか?

クロスの質を高めることと、相手が嫌がるところに走って、得点に絡んで勝利に貢献できるようなプレーです。今シーズンは、初めて対戦するチームばかりなので、そういう相手にどうやって勝っていくかということを考えるのは楽しみですね。

MF 藤田のぞみ

マイナビベガルタ仙台レディース(△1-1)戦後

ーー始動してまだ1カ月ほどですが、新チームでのプレーの手応えはいかがですか?

環境が変わって、初めて一緒にプレーする選手も多いのですが、自分自身のコンディションを上げつつ、チームとしても1から作っていかなければいけないという状況で、毎日いろんな選手とコミュニケーションをとって、探りながらやっています。

ーー今シーズン、チームでどのような役割をこなしたいですか?

そこまではまだ考えられないのですが、本当に、全員で戦わなければいけないだろうし、自分自身、今のままで試合に出られるとは思っていません。チーム内の競争が激しくなればなるほど、チーム力は上がっていくと思います。まずは目の前の試合に出て、チームに貢献することだけを、シンプルに考えています。

ーー初めて一緒にプレーする選手も多い中で、お互いのコミュニケーションを深めるために、どのようなことを意識していますか?

一番のコミュニケーションは、一緒にサッカーをすることです。最初に集まった時は、「あ、久しぶり」というぐらいで、全体的に静かな感じでした(笑)。でも、毎日練習を重ねていくうちに、積極的にコミュニケーションを取れるようになりました。みんなが近くに住んでいるというのも、ベルの良さだと思います。

ーー実際に湯郷に住んでみて、どのような印象ですか?

とても落ち着く町ですね。目立ったデパートなどがあるわけではないのですが、サッカーに集中できる環境ですし、練習場の芝生もとても綺麗です。サポーターの方も、毎日、まるで生活の一部のように練習を見に来てくださって、それが新鮮ですね。サポーターの方の年齢層も広くて、驚きました。

ーー今シーズン、個人的にはどのようなプレーを見せたいと考えていますか?

まずは勝たないと、上(1部)に上がれないし、1試合でも負けると、それが厳しくなると思うので、攻撃も守備も、両方を大事にしたいです。まだ、どのポジションで使われるかということも分からないのですが、練習から100パーセントで取り組んで、常に100パーセントの準備をする。それを継続していくことですね。結果はもちろん大事ですが、練習の積み重ねがあっての結果だと思うので、本当に、1日1日を大切にしたいです。

ーーサッカーに対する思いは、ここ数年で変化しましたか?

あまり深くは考えていないのですが、今はサッカーを楽しんで、勝負を楽しんで、勝つことにこだわって、当たり前のことをナチュラルな状態でやりたいなと思っています。

クラブ情報

岡山湯郷ベル

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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