西・東日本に長期間の高温情報 夏も暑くなるのか
この春は記録的な高温となっていて、今後はさらに暑くなるという。春が暖かい年は夏も暑くなる傾向があるが、ひとたびオホーツク海高気圧が出現すると天気は一変する。
影響が大きい「天候情報」
気象庁は11日、東日本と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報を発表しました。西・東日本では3月から気温の高い状態が続いていて、東京と名古屋では平年を2度以上上回っています。
今回のような天候情報は10年に一度起こるような、平年と大きくかけ離れた気象状況が続く可能性が高いときに発表されるもので、すでに社会的に影響が起こっていることを踏まえています。
もう一つ似たようなものに「異常天候早期警戒情報」があります。最近は天気予報の番組で取り上げられる機会が増え、見聞きした経験のある方が多いでしょう。こちらはいつもと違う天候が現れる前に、予防や対策を助けることを目的とした情報で、前者の天候情報に先立って発表されます。
春が暖かいと夏も暑い?
この先、夏までの長期予報はいずれも全国的に気温が高くなると予想しています。
今年のように春が暖かい年はその後どうなったのでしょう。東日本を例として調べたのが次の表です。1946年から2017年までの72年間で、春の気温が平年と比べ高かった年は15年ありました。
結果は夏も暑いは8年、夏は平年並みが5年、冷夏は2年です。これを見る限り、このまま気温の高い状態が夏まで続くと考える方が妥当です。
でも、よく見てみると、暖かい春は2000年以降がほとんど。昔は寒く、今は暑いという温暖化の構図が透けて見えます。実況からの予想は温暖化の影響が大きいともいえます。
猛暑予想に死角はないのでしょうか?
そう思い、春は暖かかったけれども、冷夏となった年を詳しくみてみました。
2009年は8月にオホーツク海高気圧が現れ、冷たく湿った北東風の影響で夏空が消えました。
また、1983年も6月から7月にオホーツク海高気圧が現れ、北日本から関東地方にかけての広い範囲で著しい冷害が発生しました。
オホーツク海高気圧がひとたび現れると、関東地方と北日本太平洋側の天候は一変します。急に涼しい風が吹き、雲が広がって、雨が降りやすくなるのです。
オホーツク海高気圧は夏の天候を考えるうえで、とても重要な要素ですが、予想が難しく、この夏の予想でも明らかになっていません。
【参考資料】
気象庁:東日本と西日本の長期間の高温に関する全般気象情報 第2号,2018年5月11日
気象庁:昭和58年6月~7月の低温
気象庁:全般季節予報支援資料 暖候期予報 2018年4月25日