東京に白いリング状の雲が出現
梅雨の晴れ間となった関東地方。上空から東京都心をみると、白いリングのような雲が見えた。海から吹く風が収束して雲が発生したようだ。夏はこのような雲がしばしば発生し、時には激しい雷雨をもたらす。
梅雨の晴れ間に「白いリング状の雲」
関東地方は16日、午前中から強い日差しが照りつけました。ひまわり8号の雲画像をみると、なにやら東京都心を取り囲むように白い雲のリングがみえます。
そういえば以前、東京都心の環状8号線に沿って雲が発生するようにみえる「環八雲」が有名になりました。この白い雲のリングは圏央道に沿っているようにも見え、さながら「圏央道雲」でしょうか。
今朝からの雲の変化を追ってみました。
午前9時、関東地方の広い範囲にまだら模様の雲が広がっています。そして午前11時、太陽が昇り、雲がだいぶ薄くなってきました。よくみると、東京湾を取り囲むように雲のない所があります。
さらに午後1時になると、雲のない部分が外側に広がり、白い雲の際がはっきりとわかるようになりました。
この白いリング状の雲はどうしてできたのでしょう?
それは風をみるとわかります。
鹿島灘から吹く東風と東京湾や相模湾から吹く南よりの風がぶつかった所に雲が発生しています。東京では午前9時に北北東の風、その後、午前11時になると南南東の風に変わりました。そのころから白いリング状の雲ができ始めたと思われます。
関東の沿岸では夜間は陸から海に向かって風が吹き、昼間は海から陸へと風向が変わります。これを海陸風といいます。
夏季はこの海陸風に伴って雲が急発達することがあり、局地的に激しい雨やカミナリを引き起こします。朝から非常に蒸し暑い日はとくに注意が必要です。
【参考資料】
藤部文昭,坂上公平,中鉢幸悦,山下浩史,2002:東京23区における夏季高温日午後の短時間強雨に先立つ地上風系の特徴,天気,49,395‐405.