【河内長野市】なぜドイツの子会社が河内長野に?KFカーバイドジャパンで驚きの技術を見学しました。
河内長野で取材活動をしていると、「何で河内長野にあるの?」と思うことがままあります。今回紹介する企業もそのひとつで、ドイツにある特殊な素材を使った技術を持っている会社の製品を輸入し、それを日本の企業に売り込んでいくドイツ企業の子会社が意外にも河内長野にあるのです。
KFカーバイドジャパンさんは、企業団地の中、寿町にあります。
ベルリンカーバイド(BERLIN CARBIDE)と書いてあります。カーバイドは翻訳すると炭化物と出てきます。これは炭素と炭素よりも陽性が高い元素からできる化合物の総称とのこと。少し難しいですが、そういった特殊素材に関する会社ということです。
中に入ってみましょう。
建物の中は倉庫と作業場を兼ねたようになっていて、左手に応接室があり、そちらに伺いました。
中に入るとKFカーバイトジャパンさんの製品がおいてあります。ドイツの超硬素材メーカーのKonrad Friedrichs GmbH&Co.KG社の100%出資販売子会社とのこと。
代表取締役社長の森泰啓さんの説明によれば、1923年にドイツの科学者が製法を開発したことがきっかけで、超硬の製品が誕生することになります。その後、ドイツにある親会社のGuehringKG社は1898年に、Konrad Friedrichs GmbH & KG社は1987年に設立したとのこと。日本法人は2011年11月の設立です。
超硬というキーワードをこのとき初めて知りました。硬い金属の代表格である鉄鋼のビッカース硬度がHv250なのに対して、超硬はHv1620なので、数字を見る限り鉄鋼の6倍以上となります。余談ですがプラチナはHv50程度で、水晶がHv1103とのこと。
そんな硬い超硬をドリルに使うとのことですが、ドイツのメーカーにしかできない技術があるそうで、それが金属の中にらせん状にふたつの小さな穴が開いているものだそうです。
さて、いちばん気になっている疑問、なぜ河内長野にドイツの企業が100%出資した子会社があるのかということです。それは森さんが河内長野に住んでいることと関係しているそうです。森さんはドイツの親会社からヘッドハンディングを受けたとのこと。
森さんは以前は堺の中百舌鳥に住んでいたそうですが、子育てのためにもっと自然環境が良いところということで家族で河内長野に移住したという経緯があります。そのためもあって、日本法人を設立するのなら河内長野ということになったそうです。
ただ、河内長野にドイツ本国から視察に来られても、紹介できるビジネスホテルが市内に無いのが残念とのことでした。
一通りの企業と製品説明を受けた後、社内の見学をしました。
基本はドイツで作られた超硬製品の在庫を保管する倉庫があって、それを日本の企業へ販売するということです。
ただ、状況によって加工を行う場合があるための機械も置いています。
こちらが超硬素材の現物です。
応接室の隣には検査をする部屋があります。
こちらでは、輸入した素材の検査を行います。森さんの話ではドイツの抜き取り検査だけでは、基準から外れた素材が届く場合があり、顧客から指摘されたことがあったので、今は万全とするため、全数検査を行っているとのこと。
素材の断面が拡大して映されています。これをひとつひとつチェックをして、基準を満たしたものだけを納品するそうです。
ドイツの素材を輸入販売、その為の販路拡大だけでなく、検査を行って完全な品質確保も行っているんですね。
ということでKFカーバイドジャパンさんを見学しました。ドイツの特殊技術、超高素材を大阪、それも河内長野を拠点に国内の企業に販売活動を行っているとのことです。
航空関連会社や自動車関連の顧客が相手なので、私たちの生活には身近な製品ではありませんが、こんな企業が河内長野にあるということを知るだけでうれしくなりました。
KFカーバイドジャパン(株)(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市寿町12-48
TEL:0721-26-7630
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 上原口バス停から徒歩10分
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