仕事好きな私。高速かつ理詰めで会話ができる男性と恋愛して結婚したい(「スナック大宮」問答集19)
「スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに80回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。
初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。
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「ボンヤリして見えるけれどバカではない」男性にも目を向けてください
「女っぽい外見をしているけれど、中身は男っぽい私。働いているときが楽しいです。だから、優秀で仕事熱心な男性に心惹かれます。高速かつ理詰めで会話ができる男性と恋愛して再婚したいと思っています」(41歳のバツイチ独身女性)
コンサルティング業界で働く女性で、女子アナ風の正統派美人。恋愛相手の男性に求める基準も低くない。スマートな外見と立ち振る舞いを身に着けた人と、前向きで知的な会話を楽しみたい。「やらされ感」で働いているような男性は論外だ。
ただし、優秀で仕事熱心で会話上手のスマートな男性が、自分と同じようなタイプの女性を好きになるとは限らない。筆者は様々なカップルを観察し続けているが、「性格や性質まで似た者夫婦」というのは意外と少ない。頭と口の回転が速い女性は、おっとりしている(けれどバカではない)男性と一緒にいて幸せそうだったりする。
冒頭の美人にも、「ボンヤリして見えるけれどバカではない」男性に目を向けることをお勧めしたい。彼らの特徴は、(1)派手な職業ではないけれど真面目に働いて自活している、(2)反応は遅めだけど実はちゃんと聞いているし考えている、の2点。会話上手が多い女性に比べると、男性の大多数はこの2特徴があると言ってもいいだろう。
結婚相手を探すときは、逆のケースには注意したい。コンサルティングや商社、証券会社、マスコミなどの業界、一部の営業職や販売職、弁護士や開業医を含む個人事業主など、「組織だけでなく自分自身が売りもの」である男性は、当然ながらコミュニケーション能力に長けている。自信があるように振る舞うことも得意だ。もともと素地があり、仕事でさらに鍛えたその能力を、対女性に応用(悪用?)している人も少なくない。全員とは言わないが、恋愛関係においては不誠実だったり身勝手だったり落ち着かなかったりしやすい。
ポイントは、対象となる男性と面談する機会があれば、短期的・表面的ではなく中長期的に彼の言動を観察することだ。初めの数回は緊張・気負い・経験不足のために口数が少なすぎたり野暮だったり頼りなかったりするかもしれない。しかし、少し辛抱して付き合っていると、こちらの言ったことをちゃんと覚えていて約束を守ってくれたり、お人良しなほど優しかったりするのがわかってくることもある。
身だしなみや女性との接し方は、交際や結婚が始まってからでも大いに改善する。一方で、誠実さや優しさは急に身についたりはしない。
賢い女性であれば、高い買い物をする際はブランドや宣伝文句に踊らされずに「長く使えるか」「本当にいいものなのか」をじっくり吟味するだろう。パートナーを探すときもその視点を思い出すようにしてほしい。意外なほど身近なところに、「掘り出し物」が見つかるかもしれない。