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「ロマチェンコ戦に向けて100%の状態。準備万端だ」 ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)インタヴュー

杉浦大介スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

12月9日 ニューヨーク マディソン・スクウェア・ガーデン・シアター

WBO世界スーパーフェザー級タイトル戦

王者

ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ/29歳/9勝(7KO)1敗)

挑戦者

ギジェルモ・リゴンドー(キューバ/37歳/17勝(11KO)1無効試合)

今回の1on1インタヴューは12月7日の最終会見前、通訳を通して行われた

ロマチェンコの戦力を知る必要もない

ーーこの試合のために2階級上げたことが不利な条件として語られていますが、自身ではどう感じますか?

GR : 私は階級を上げてより速く、強くなったと思います。

ーー計量時の体重はどのくらいになる予定ですか?

GR : 122パウンドから130パウンドの間です。

ーーロマチェンコとの対戦に向けて、かなり研究を重ねたんでしょうか。

GR : 彼の戦力を知る必要はありませんでした。自分の力を分かっているからです。

ーースパーリングでの調子はどうでした?

GR : 100%。最高の状態ですよ。準備は万端です。

ーー依然として試合ごとに「退屈だ」と多くの批判にさらされます。今戦の後、人々の意見が変わると思いますか?

GR : 自分の仕事をすべてやったところで、何か言う人は言うものです。ただ、自分にやるべきことをやるのみ。ベストを尽くすだけです。

ーーアメリカと比べ、あなたのファイトスタイルは日本では驚くほど高評価されている印象があります。

GR : だから私は日本が大好きなんです(笑)。もしも再び招待してくれるのなら、いつでも日本を訪れるつもりです。 

ーー2014年の年末に日本を訪れた際、どう受け取られたかをもう少し話してもらえますか? 

GR : 人々は私に対してとても親切、丁寧で、そして友好的でした。 

自分のスタイルを貫くだけ

ーー天笠尚(山上)選手から2度のダウンを奪われましたが、天笠の頑張りには驚かされましたか? 

GR : まったく驚きはしませんでした。彼が素晴らしいボクサーだということは分かっていました。2度のダウンを奪われましたが、その後に私に何ができるかを示したつもりです。

ーーその日本と比べ、アメリカではなぜこれほど受け取られ方が違うのだと思いますか?

GR : 自分がキューバ人だからでしょう。アメリカ人、あるいはメキシコ人のように、アメリカ国内にキューバ人のファンベースは存在しません。ただ、これから自分の印象も変えていければと思います。 

ーーよりアグレッシブに戦ったら、もっと稼げたと考えることはありますか? 

GR : 人はそれぞれの才能を持って生まれます。これが私のスタイル。自分の仕事をやるだけです。ファンを喜ばせるためにできる限りのことをするつもりですが、これが私のスタイルなんです。

ーーすでにすべてを成し遂げたようにも見えますが、キャリアのこの時点では何を目標に戦っているんでしょうか? 

GR : 自身のレガシーのために、すべてを正しい形で行い、勝ち続け、前に進むだけです。 

終始落ち着いて筆者の質問に答えていたリゴンドーだったが、「将来戦いたい相手」について訊くと突然顔色が変わった。 (杉浦大介)
終始落ち着いて筆者の質問に答えていたリゴンドーだったが、「将来戦いたい相手」について訊くと突然顔色が変わった。 (杉浦大介)

ーー今はロマチェンコに集中する時ですが、その後に戦ってみたい相手はいますか?

GR : (突然語気を強めて)毎度のようにその質問を受けます。他の選手たちに私と戦いたいかどうかを尋ねるべきでしょう。私はその気がある選手とは誰とでも戦うつもりですが、誰も名乗りをあげようとしません。最高のボクサーたちと戦いたいし、その意思はあります。私が尋ねられるべき質問ではありません。

ーー今すべてを振り返り、キューバから亡命したことは正しい選択だったと思いますか? 

GR : 過去に起こったこと、歴史は変えられません。だから深く考えることもありません。様々なことが起こり、今の私はここにいるのです。

ーー世界のファンに何か言うことは?

GR : サポートしてくれる世界中のファンに感謝したいです。素晴らしいショウを見せ、新たなベルトを奪う準備はできています。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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