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三冠を保持しながら今年度も勝率8割超! 藤井聡太王位・叡王・棋聖(19)記録4部門でも抜群の成績

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月13日。藤井聡太王位・棋聖が叡王を獲得しました。

 

 史上最年少三冠誕生でますます盛り上がる将棋界。記録部門に目を転じてみると、こちらでも藤井三冠がトップを走っています。

 藤井三冠の今年度成績は31局を指して26勝5敗(勝率0.839)です。

 竜王戦5組のみで対局をしている桐山清澄九段、藤倉勇樹五段(いずれも今年度1勝0敗)をのぞけば、藤井三冠は勝率1位。実質的に記録4部門でトップに立っています。

 藤井現三冠のデビュー以来4年連続勝率8割超えも、信じられないような成績でした。

 そしてタイトル複数冠を保持する5年目も現在のところ、8割を超えて勝ち続けています。これまでの将棋界の常識をはるかに超え続ける、規格外の存在というよりなさそうです。

 藤井三冠は休む間もなく、17日に斎藤慎太郎八段(棋王戦3回戦)、20日に木村一基九段(B級1組)と、強敵を相手に重要な対局が続きます。

 記録部門のトピックとしては、宮田利男八段門下の新鋭3人がランクインしています。

本田  奎五段(24歳)15勝3敗(0.833)

斎藤明日斗四段(23歳)19勝7敗(0.731)

伊藤  匠四段(18歳)17勝6敗(0.739)

 基本的にいつの時代にあっても、記録部門のランキング上位には若手棋士の名が多く並びます。その中にあって、48歳にしてトップクラスで戦い続ける木村九段(15勝8敗)の名が目を惹きます。木村九段は現在、王座戦五番勝負で永瀬拓矢王座に挑戦中です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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