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韓国も長期戦の構え 韓国防疫の「英雄」が国民に「第2波に備えよ!」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
鄭銀敬・韓国中央防疫対策本部長(中央防疫対策本部HPから)

 「韓国防疫の英雄」と称されている新型コロナウイルス対策の責任者である韓国中央防疫対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は昨日(13日)、全世界の一日の新規感染者が20万人を超え、韓国国内への外国からの輸入患者が後を絶たないことから「長期戦の備えをしなければならない」と国民に呼びかけた。

 韓国中央防疫対策本部が公表したWHO(世界保健機構)のデーターによれば、世界の一日の新規感染者数は2月1日の2125人から今月(7月)1日には16万9401人と約80倍に急増した。

 一昨日の新規感染者20万1009人のうち、57.2%にあたる11万4902人が米州で、アジアでも20.3%の4万781人の新規感染者が確認されている。

 韓国では7月1日から10日までの海外からの入国者3万9245人のうち180人が感染していた。このうち入国時に無症状だった人は116人に達していた。

 鄭本部長はWHOが発表したデーターを基に「どの国もパンデミック(大流行)の着地点を予測できない流行の拡散期に入っている」と述べ、「どの国も(経済重視のため)封鎖や制限を解き、防疫装置を緩和したため再び急増した」その理由を語っている。

 特に鄭本部長は無症状感染を防疫網で統制することの難しさを指摘し、「国民の多くは免疫がないため誰でも感染にかかりやすい。ワクチンが開発されるまで大小関わらず流行が続くだろう」と吐露していた。

 鄭本部長はWHOも現況として収束させるのは難しいとみていることから「長期戦に備える必要がある」との覚悟を示し、具体的には「ワクチンや治療剤の開発に最善を尽くすが、見通しが立ってない今は、何よりも感染リスクを安全に統制しながら日常生活を営むようにしなければならない」として日本同様に「ウイズ(with)コロナ」を定着させることの必要性を強調していた。

 鄭本部長は気温が下がる秋冬には第2波、第3波がやって来るとしてそれに備えるには「先制的な対応の必要がある」として何よりも医療の人力と装備の拡充を強調していた。特に医療面では「医療関係者の疲労が蓄積していることから量的に安定した医療関係者の確保が容易ではない」として「医療陣が安全に勤務できるような施設と装備の支援が急務である」としている。

 また、重症化を防ぐため老人介護施設や病院など地域社会で65歳以上の高齢者を保護する対策を徹底させるほか、国民にはマスクの着用を含め日常生活でのソーシャルディスタンスの順守を呼びかけている。

 鄭銀敬本部長についてはウォールストリートジャーナル(WSJ)をはじめ外国メディアが「危機状況下にあって大衆が求めている真のリーダシップを発揮している」「自身の安全よりも大衆を守ることに献身している」「断固としたメッセージを発信している」とその手腕を高く評価している。

 韓国国内でも「貴方がいるから国民は安心していられる」とか「彼女こそが大統領クラスだ」と絶賛する声が多く寄せられており、中には次期WHO事務総長に推す動きもある。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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