Yahoo!ニュース

能登半島地震の復旧・復興を早期に進めることは、財政健全化目標の達成にも貢献する

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
(写真:當舎慎悟/アフロ)

能登半島地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

***********

能登半島地震は、2024年の元旦に発災してまもなく1か月が経つ。被災者・被災地の復旧・復興が急がれる。

復旧・復興のためには、財政的な支援が必要となる。政府は、1月25日に、令和6年能登半島地震に係る「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」(PDFファイル)を取りまとめ、翌26日には同パッケージに盛り込まれたを施策を実施するため2023年度予算の予備費から1553億円を支出することを決定した。これは、発災直後の1月9日に予備費から支出することを決めた47億3790万円に続く第2弾である。

2023年度は3月末で終わる。2024年度に入る4月以降も復旧・復興対応が行えるよう、2024年度予算政府案では、既に決まっていた予備費を5000億円積み増した。

2024年度予算政府案は、2023年12月22日に一度閣議決定されたが、能登半島地震への対応を踏まえてこの予備費を5000億円積み増すため、変更を加えて1月16日に閣議決定し直された。異例のことである。

能登半島地震の被災者・被災地の復旧・復興は、2024年度までにできるものは何でもやり上げるという勢いで行うことが望まれる。2025年度に先送りするようなことはすべきでない。

それは、被災者・被災地のためであることは論を俟たない。それだけでなく、副次的な効果ではあるが、わが国における財政健全化目標の達成にも貢献する。なぜならば、

この記事は有料です。
慶大教授・土居ゼミ「税・社会保障の今さら聞けない基礎知識」のバックナンバーをお申し込みください。

慶大教授・土居ゼミ「税・社会保障の今さら聞けない基礎知識」のバックナンバー 2024年1月

税込550(記事2本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

土居丈朗の最近の記事