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「派閥解散」で財政政策はどう変わるか? 「派閥」よりも影響力が強い「集団」がある

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
派閥解消で自民党はどれだけ信頼回復できるか(写真:アフロ)

岸田文雄首相(自民党総裁)は、1月18日に、宏池会(岸田派)の解散を宣言した。これに追随する形で、19日には二階派(志帥会)と安倍派(宏池会)も解散方針を決めた。

この自民党の「派閥解散」は、財政政策の方向性にどのような変化をもたらすだろうか。

確かに、自民党の派閥は「政策集団」とも呼ばれ、政策形成にも影響を持っていたとみられる。多くの議員が派閥を形成して、一致結束して政策過程で数の力を発揮して欲する政策の実現を目指すという姿が浮かんでくる。

その派閥が解散するとなると、これまでの政策過程とは異なる動きが今後出てくるかもしれない。様々な政策の中でも、与党にとって最も重要なものは、予算に反映される政策である。つまり、財政政策である。

法改正は、与党議員だけでなく野党議員でも、議員提案が可能である。しかし、予算案は、内閣にしか提案権がない。議院内閣制であるわが国では、予算提案権は、野党議員にはない与党議員だけが影響力を行使できる特権である。

では、派閥の解散によって、財政政策はどう変わるだろうか。派閥がなくなると

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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