「派閥解散」で財政政策はどう変わるか? 「派閥」よりも影響力が強い「集団」がある
岸田文雄首相(自民党総裁)は、1月18日に、宏池会(岸田派)の解散を宣言した。これに追随する形で、19日には二階派(志帥会)と安倍派(宏池会)も解散方針を決めた。
この自民党の「派閥解散」は、財政政策の方向性にどのような変化をもたらすだろうか。
確かに、自民党の派閥は「政策集団」とも呼ばれ、政策形成にも影響を持っていたとみられる。多くの議員が派閥を形成して、一致結束して政策過程で数の力を発揮して欲する政策の実現を目指すという姿が浮かんでくる。
その派閥が解散するとなると、これまでの政策過程とは異なる動きが今後出てくるかもしれない。様々な政策の中でも、与党にとって最も重要なものは、予算に反映される政策である。つまり、財政政策である。
法改正は、与党議員だけでなく野党議員でも、議員提案が可能である。しかし、予算案は、内閣にしか提案権がない。議院内閣制であるわが国では、予算提案権は、野党議員にはない与党議員だけが影響力を行使できる特権である。
では、派閥の解散によって、財政政策はどう変わるだろうか。派閥がなくなると
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